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- 匿名
- 18/05/27 19:44:31
主にスマホで遊ぶオンラインゲーム、通称「ソシャゲ(ソーシャルゲーム)」。都内在住の主婦A子さん(42才)もソシャゲにハマった一人だ。ある日、A子さんは、夫から突き付けられた離婚届を前に頭を抱えていた。
「最初はちょっとした気持ちで“課金”したんです。カッコよくて萌えるキャラクターが欲しいなって。今思えば、それがすべての間違いでした。次から次へ新しいキャラが登場し、お金を払ってそれを手に入れないとクリアできないイベントが出現して…この繰り返し。気がつけば夫から渡された生活費にも手をつけていました」
男性アイドルの育成ゲームにのめり込み、次々と現れる新キャラを入手するため、「課金」という形でお金を払い続けた。最初は月に2000円までと決めていた課金額は5000円、1万円、5万円と膨らみ、いつしかカード限度額の30万円に達した。A子さんがガックリと肩を落としつぶやく。
「月10万円のパート代はすぐに底をつき、カードローンにも手を出しました。年金や健康保険も滞納してしまったため、督促状を見た夫に問いただされすべてを白状しました。夫の実家で家族会議が開かれ、激昂した夫から『少し頭を冷やしたい』と別居を提案されました」
現在は実家で暮らすA子さん。つい数日前、遂に離婚届が届いたという。しかし、深く反省しているつもりでも、気づけばまたソシャゲに興じる自分がいる。
「もう、自分の意志ではゲームをやめられないんです。私はどうすればいいのでしょうか…」
一般社団法人日本オンラインゲーム協会の2017年の調査によると、インターネットを介した国内オンラインゲームの市場規模は1兆2796億円を突破。このうちスマホやタブレットを使ったソシャゲは1兆1517億円を占めた。
内閣府の2017年度調査では、小中高生の7割以上がオンラインゲームをしている。子供たちのゲーム内の高額課金が深刻な社会問題へと発展するなか、WHO(世界保健機関)は今年1月、ゲームに依存するあまり日常生活が困難になる症状を、新たな病気として定義した」
ちなみに一般的にネトゲはパソコンやゲーム機を使ったオンラインゲームで、ソシャゲはスマホで遊ぶゲームを指す。
そんな中、スマホの登場で、オンラインゲームの弊害は主婦層にも広がった。『ネトゲ廃女』(リーダーズノート)の著者で、ノンフィクションライターの石川結貴さんが解説する。
「スマホなら場所を選ばずどこでもゲームができる。SNSで人とつながることが当たり前になり、初心者向けのソシャゲも続々と登場しました。敷居が一気に下がり、ソシャゲが爆発的に普及した結果、比較的時間に余裕のある主婦層にまでユーザーが拡大したのです」
2016年に、セガゲームスがスマホ保有者を対象にスマホゲーム利用率を調査したところ、40代女性で43.7%、50代女性で45%が利用していることが判明した。だが、ゲームに夢中になるあまり誕生したのが、冒頭のA子さんのような “ソシャゲ廃人主婦”だ。
ゲームの中のレアキャラクター「土方歳三」をどうしても手に入れたくて、「ガチャ」に情熱を注いだ。しかし、レアアイテムの当せん確率は0.1~0.2%程度と極端に低い。強いレアキャラを獲得するには何度もガチャを回す必要があり、多額の資金が必要となる。
そのため、どうしてもレアキャラが欲しい利用者は、単発で回すより確率が上がるとされる 『10連』(10回連続分のガチャセット)を大体3000円ほどで買い、30回、50回、100回と繰り返してやっと強いキャラをゲットする。
だが、大枚をはたいて目的のキャラやアイテムを手に入れても、すぐに新たな強いキャラクターが登場する。ユーザーはまたそのキャラを追い求め、ガチャを回す。この終わりのないループが、ガチャの特徴である。カレー沢さんが話す。
「頭の中は土方さんを獲得することしか考えられなくなりました。4万5000円をつぎ込んでようやくゲットしました」
※女性セブン2018年6月7日号
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