オモチャの取り合いで友達を叩く…どうしたらいい?

  • なんでも
  • にんじん
  • 18/02/16 23:02:11

教育評論家の親野智可等先生が、保護者からの質問にお答えします。
こういうとき親としては心配になりますよね。でも、子どもの成長段階でよくあることですから、このまま暴力的な人間になるというような問題ではありません。

このようなとき、親としては、つい一方的かつ感情的に子どもを責めて叱りつけてしまいがちです。たとえば、「叩いちゃダメって言ったでしょ」「仲よくしなきゃダメでしょ」「なんでそんなひどいことするの!」「何度言ったらわかるの」などです。中には、「そんな意地悪な子は知りません」「そんな子はうちの子じゃありません」などのひどい言葉をぶつけてしまう人もいます。もしかしたら、「叩かれた痛みがわかるように、叩いてしつける」などという人もいるかもしれません。

でも、これだと、子どもは素直な気持ちで自分を振り返ることができません。それどころか、「ママは私のことをダメな子だと思っている」「どうせ自分はダメな子だ」「どうせぼくなんか悪い子だよ」「どうせぼくは意地悪な子だよ」という自己否定感にとらわれてしまうこともあります。
また、「ママは私のことを嫌いなんだ」「どうせぼくなんかいないほうがいいんだ」と感じて、愛情不足感にとらわれることもあります。

このとき大切なのは、まずは、子どもの話に耳を傾けて、その気持ちをわかってあげることです。でも、これがなかなかできないんですね。
なぜなら、親は「相手の子どもや親に申し訳ない」「人を叩くなんて許せない」という感情的な気持ちでいっぱいだからです。でも、その感情的な気持ちを直接ぶつけてもいいことはひとつもありません。

どの子にも必ず言い分があります。叩いた子だけがすべて一方的に悪いということではないのです。イヤだった気持ちをうまく言葉にできなくて、それで相手を押したり叩いたりしてしまったということが多いのです。

話を聞くときは、ほかの子もいるところではなく、一人ずつにして話を聞いたほうがいいでしょう。
まずは、子どもに「どうしたの?」と聞いてあげてください。あるいは、
「何がイヤだったの?」「何をしたかったの?」「どうしたかったの?」「何が欲しかったの?」と聞くのもいいでしょう。
そして、子どもの言い分を共感的にたっぷり聞いてあげましょう。
「うん、うん、そうなんだ。それはイヤだったね」「そういうのイヤだよね」「悲しいね」「頭にくるよね」「やめてほしかったんだね」「○○したかったんだ」「○○が欲しかったんだ」など、相づちを打ちながら心から聞いてあげましょう。
言葉でうまく言えない子には、その気持ちを察して、こちらから言葉を補ってあげましょう。
「○○がイヤだったんだね」「おもちゃ取られてイヤだったんだね」「○○がしたかったんだね」「これで遊びたかったんだね」「○○が欲しかったんだね」「○○をやめてほしかったんだね」「○○って言いたかったんだね」

このように、まず本人の言い分を共感的にたっぷり聞いてあげます。そうすれば、子どもは「自分の気持ちがわかってもらえた」と感じて気持ちがすっきりしてきます。すると、こちらの話も素直に聞けるようになります。
そうしたら、次に「相手はどう思っているかな?」「叩かれるとどんな気持ちがするかな?」「叩かれた○○ちゃんはどう思っているかな?」
と聞いてみます。
そして、「じゃあ、どうすればよかったかな?」「何と言えばよかったかな?」「叩くかわりに、どうすればよかったかな?」と聞いて、一緒に考えるようにします。
さらに、その望ましい言葉を一緒に口に出して言ってみたり、本人に一人で言わせたりして練習してみるといいでしょう。
これは、自分の気持ちを言葉で伝えることの大切さを理解し、実際に言葉で伝えられるようにするための、非常にいい機会なのです。

このようなプロセスで進めることが大切です。しかも、一度ではすみませんので、何度でも根気よく繰り返して行います。
そして、そのすべての第一歩が共感です。まず共感してもらえることで、子どもは自分の行動を素直に振り返ることができるようになります。
それがあって初めて次の段階に進んで、自分や相手の気持ちを考えたり、伝えたいことをうまく伝える方法を考えたりできるようになります。

大人が感情的になって、一方的に叱ったり叩いたりしていると、子どもは絶対に自分の行動を素直に振り返ることができません。
すると、その後の大切なプロセスのすべてがうまくいきません。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180214-00010004-benesseks-life

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