【日テレ】朝鮮学校特集 「私はコリアン。でもこれから日本で生き続ける」【news every.】

（続き）

日本と北朝鮮の関係が悪いことを生徒はどう考えているのか。
高3女子「(友達と)話し合うこともあるけど、100%向こう(北朝鮮)の報道が正しいという人もいれば、日本の報道が正しいという人も中にはいるし、どっちも聞いてるからこそ心苦しいというのが大半の意見だと思います」。
「複雑」「辛い」そんな意見もあった。

朝鮮学校の生徒数は2008年には8841人だったのが、2017年には5857人にまで減少している。
朝鮮半島にルーツを持つ子供たちのうち、朝鮮学校に通う在日コリアンは1割未満。
日本で生まれた彼らが初めに覚える言葉は日本語。生徒の殆どが小学校で朝鮮語を学び始める。

神奈川県横浜市の横浜朝鮮初級学校。ここには小学1年から6年の子供が約80人通っている。1年生はまだ朝鮮語より日本語を話す。
学校ではまず歌や踊りで朝鮮語に慣れさせる。1年生の担任は「言葉を学べる場所であることころにウリハッキョ(朝鮮学校)の意義があると思います」と語る。

全国にある朝鮮学校の小学校・中学校では、北朝鮮の指導者の肖像画が掲げていない。親たちの要望などで15年前から取り外しているという。

保護者らも多くが朝鮮学校出身。
彼らは「民族として朝鮮語を習える。朝鮮の言葉、気持ちを習ったり(朝鮮民族の)心を習える所は朝鮮学校しかないと思っている」「自分のルーツ、自分の名前、自分の家族を切り離して、自分に誇りは持てないので、朝鮮学校はそのための学校だと通わせて特に思っています」
“朝鮮人の言葉・精神を学べる場所”それが朝鮮学校だと親達は言う。

（続く）

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東京都北区の東京朝鮮中高級学校。小学校の頃から朝鮮語や朝鮮半島の歴史を学んできた彼らは、卒業後どんな進路を目指しているのか。
朝鮮大学校に行く子、日本の大学を受験する子、専門学校に行き「夢はブライダルヘアメーク」と語る子。
この学校によると、卒業後に朝鮮大学校に進む生徒は46%、日本の大学などに進む生徒は39%だという。日本の大学などに進む生徒は、そこで初めて日本人と学ぶことになる。

この春、日本の専門学校に進むことになっているある生徒は不安を抱えていた。「名前が3文字だし、(日本語と)読み方も違うし、ユヒィさんには以前通学中こんなことがあったという。
「ウリマル(朝鮮語)を使って話していたりすると、すごく『なんだこいつら』とか…なんだろう…『朝鮮人』とか言われたことはあります」
朝鮮学校の生徒に向けられる世間の目。更に彼女は朝鮮学校に通うために大きな目標を断念せざるを得なくなった。

去年の夏、ユヒィさんは英語を学ぶため、アメリカへ短期留学を予定。
「アメリカはいろんな国の人が集まるところなので、そこでいろんな文化に触れられればいいなという思いで、アメリカ留学を決断したんですけど」
入国に必要なビザ申請は受理された。
ところが「アメリカ大使館から『再面接をお願いします』と言われ、再面接に行きました」
出発の1ヶ月前だったという。
その再面接では「あなたは北朝鮮の学校に通っていますか？」「あなたは北朝鮮に行ったことがありますか？」「あなたは北朝鮮に家族や親戚がいますか？」この３つしか質問されなかった。
再面接直後アメリカ大使館から渡された書面には「ビザを発給する事ができない」と記されていた。その理由について説明はなかった。
ユヒィさんは「(朝鮮学校に通っている事)それしか理由はないじゃんって。でもそんなのを理由にしていたら、私たち(朝鮮学校の生徒は)これから先どうすればいいんだろう」
ユヒィさんはアメリカ留学を断念した。だが彼女は海外で視野を広げるという夢を諦めたくないという。「私のルーツは変わらないので、変えることができないので、在日コリアンというアイデンティティはそのまま(在日)同胞社会に置きつつ、視野は広げて色々な世界を見たい」。

朝鮮学校に通う事で偏見の目で見られていると感じる生徒は少なくない。中には、塾や習い事で知り合った日本人に朝鮮学校に通っている事を隠している生徒もいるという。
高2の女生徒「朝鮮学校に通っているという事だけで、仲間はずれにされたり、話を聞いてもらえなかったりするのは悔しいと思います」
別の高2女生徒「(朝鮮学校に通っていることを)秘密にしていることが多い。『朝鮮学校の人なら関わっていたら、何か言われるから』みたいなことが怖いので言えない…」
朝鮮学校に通っていると言うと、離れていく友達もいるという。

最後に記者は「朝鮮学校を知らない人達に何を伝えたい？」と尋ねた。
女生徒達「しゃべっている言葉が朝鮮語なだけで、日本の学校と同じ生活をしているし、みんなが仲がいいということを知らせたいです」「私達の学校を悪く思っている人達が大半だと思うから、ちゃんと見て、自分の目で見て判断をしてほしいです」

（終）