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記事まとめ
・二階俊博氏は総選挙で中川郁子氏らが落選したが、中曽根康隆氏らを入会させて勢力挽回
・二階氏は小泉進次郎氏を筆頭副幹事長に起用し、自らが“後見人”のようにアピール
・進次郎氏が二階氏を味方につけ首相に挑めば、“政界大再編”が起きるとの見方もある
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小泉進次郎氏と二階俊博氏が接近 安倍抵抗勢力の誕生へ
2017年11月07日 07時00分 NEWSポストセブン
〈政治は数、数は力〉──という田中角栄流の「数の論理」は昔も今も自民党派閥政治の基本原理だ。選挙で子分を増やして兵を養い、権力の座を目指す。総選挙による派閥勢力の消長は政界地図を大きく塗り替える。
特別国会が召集され、第4次安倍内閣が発足すると、自民党では各派閥が拡大合戦を展開中だ。中でも二階俊博・自民党幹事長率いる二階派は、党内の陣取りではなく、選挙中から“スカウト”のアンテナを野党に向けていた。
二階氏は解散前、無所属議員を次々に二階派に入会させて岸田(文雄・政調会長)派を抜く党内第4派閥(47人)に拡大させたが、総選挙では西川公也・元農水相や同じ派閥の門博文・代議士との“路チュー”スキャンダルを起こした中川郁子氏、夫の“ゲス不倫”に加え、自身の公用車の私的利用で叩かれた金子恵美氏ら、派閥の候補が8人も落選して勢力を減らした。
ところが、選挙後の短期間に中曽根康弘・元首相の孫の康隆氏など新人5人を次々に入会させ、瞬く間に勢力を44人にまで挽回してみせたのだ。
ただし自民党派閥の消長は数だけでは決まらない。有力な「総理・総裁候補」を抱えていることが必要だ。
安倍首相の出身派閥である細田派は森内閣から4人(5代)の首相を輩出して最大派閥になったが、ポスト安倍の後継者が見当たらず、その勢いに陰りが見えてきた。第2派閥の麻生派、第3派閥の額賀派にも有力な総裁候補は見当たらない。
その中にあって、二階氏は小泉進次郎氏を筆頭副幹事長に起用したことで強力な“カード”を握った。最近では幹事長会見の際、二階氏は必ず進次郎氏を自分の隣に立たせ、自らが“後見人”であるかのようにアピールしている。
そもそもこの抜擢人事(今年8月の内閣改造)は安倍首相ではなく、二階氏主導によるものだった。二階氏と親交の深い作家・大下英治氏が語る。
「将来の総理・総裁のレールが敷かれているホープの進次郎氏にとって、政治スタイルが対照的な二階さんの下で仕事をするのは非常に勉強になっている。
いまでは進次郎氏は党の細かい発表は“僕がやります”と積極的にスポークスマン役を買って出ており、二階さんも“安心して今のポストを任せられる”、“さらに上のポストでもこなせる”と高く評価している」
2人には奇しき縁がある。二階氏は保守新党から自民党に復党後、小泉純一郎首相の下で党総務局長、経産大臣に抜擢されて地歩を固めた。進次郎氏は“恩人の息子”であり、二階派に有力な総理・総裁候補がいないだけに、「いずれ自分の後任の幹事長に育てたいと考えている」(同派議員)と見られているのだ。前出の大下氏はこういう。
「二階さんは進次郎氏を二階派に引き入れようとは考えていない。なぜなら、進次郎氏はいずれ自分の派閥を旗揚げするはずで、それまで他の派閥に入る可能性は100%ないとわかっているからです。ただし、2人の信頼関係は深いから、いつか二階派が進次郎氏を“担ぐ”時代が来るかもしれません」
将来の総理候補である進次郎氏は、どの派閥も“欲しい”逸材。これまでも、誰が彼を担ぎ上げるか争われてきたが、どうやら二階派がリードしているようだ。
続き>>1 ◆政界大再編が起きる
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