「北朝鮮問題」覚悟を決めた安倍首相と、決められない野党の「大差」

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    • 食欲の秋
      17/09/25 08:26:40

    ■不利な政党、チャンスの政党

    今回の総選挙の争点は、これまで述べてきた①北朝鮮への対応(対話か圧力か)のほかに、②消費増税の是非、⑤憲法改正となるだろう。

    民進党は北朝鮮対処で「まだ対話が必要」というのだろうか。もしそうであれば、それはここ20年間の対話で北朝鮮がウソをいい続けて核・ミサイルを開発してきたという事実にはどう答えるのか。それでもまだ、というのは「お花畑議論」に思えて仕方ない。

    といっても、民進党はもう北朝鮮問題でリアルな議論はできそうにもない。民進党内の保守系といわれる細野氏や長島氏は、こうした民進党の非現実的な議論に飽きて離党している。


    前原氏は外交安保では比較的リアリストであるが、それでも党内の多くの意見は相変わらす「お花畑」なので、北朝鮮問題では「対話せよ」となって、共産党と比較的に意見が合いそうである。となると、前原氏が忌み嫌っていた共産党との共闘が、各地の選挙区でみられるかもしれない。その際、「モリかけ」の疑惑隠しのための国会解散だ、というだろう。

    本コラムの読者であれば、「モリかけ」における総理の疑惑について裏付けされたものはひとつもなく、単なる言いがかりであったことが明らかだ。「モリかけ」は腹一杯である(笑)。北朝鮮問題の重要度に比べると「モリかけ」は次元が低い話で比較にならないが、国民にはどう映るのだろうか。

    民進党は、②と③についても自民党とは明確な差が出せそうになく、苦しい選挙となるだろう。

    日本維新の会は、外交安保では常識的な保守政党なので、まともな意見をいうチャンスである。自民党も民進党もいえない、①での非核三原則の見直し、②で消費増税凍結や規制改革を主張し両党との差別化を図りながら、存在感を増す好機だろう。③の憲法改正では、日本維新の会が先導してきた「教育無償化実現」を訴えるチャンスだ。

    小池新党はどうだろうか。保守系の人たちが一気に集まれば面白いことになる。風を吹かすにはいい機会なのだが、なにしろ手勢が少なく準備不足である。小池氏が都知事から国政復帰すると宣言すれば別の展開になるかもしれないが、今の状況では難しいだろう。北朝鮮問題への対処が争点となるなかで、存在感を見せられるか。

    いずれにしても、①北朝鮮への対応(対話か圧力か)が総選挙の中心争点になると、これまで集団的自衛権や安保法制に反対してきた政党や政治家は苦しい展開を強いられることになる。

    リアルな危機を目の前にすると、「お花畑議論」がまったく通用しないからだ。この点、自衛隊を違憲と主張する共産党が今回の選挙でどのような結果となるか、も注目の一つである。

    総選挙は、しばしば「政策の展覧会」ともいわれる。この際、各政党が外交安保、経済などで是非論戦を戦わせて、国民に政策の選択肢を示してほしい。安倍首相は、もっとも得意とする外交安保で解散総選挙を仕掛けたわけだが、はたしてどの政党がその論戦について行けるだろうか。

    各政党もここで勝てば、安倍政権打倒の道が開けている。おおいに自説を掲げて戦ってもらいたい。

    高橋洋一(経済学者 嘉悦大学教授)

    現代ビジネス
    http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52986

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