- ニュース全般
- つくね
- 17/03/10 19:03:28
「琉球独立勢力」の正体、沖縄の中国圏入りを画策
2017/3/10
妄想の“ユートピア”で扇動
過激派や共産党、中朝など周辺諸国の動向を分析する公安調査庁は今年1月、「2017年 内外情勢の回顧と展望」を刊行し、中国の対日工作の項で「琉球独立勢力」に言及し、注目を集めた。
「回顧と展望」は「中国国内では、『琉球帰属未定論』に関心を持つ大学やシンクタンクが中心となって、『琉球独立』を標榜(ひょうぼう)するわが国の団体関係者などとの学術交流を進め、関係を深めている」と指摘、こうした動きには「(中国の)日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいる」とし、「今後の沖縄に対する中国の動向には注意を要する」と警鐘を鳴らした。
◆独立支持は3%未満
これに対して「琉球民族独立総合研究学会」の共同代表の一人、沖縄国際大学の友和政樹教授は「沖縄の声を中国脅威論と結び付け、分断を望んでいるのは国の方ではないか」と反発(沖縄タイムス1月17日付)。琉球新報は社説で「沖縄敵視の言い掛かりだ」(同18日付)と批判した。
だが、「琉球独立勢力」は中国の脅威について全く言及せず、「米軍撤退」「反日」だけを叫んでいるから、「学術交流」が中国の対日工作に関わっているとみるのは妥当な分析だ。
こうした疑念が持たれる「琉球独立勢力」はいったい何を考えているのだろうか。同勢力の中心人物、松島泰勝氏(石垣市出身、龍谷大学教授=前述の研究学会共同代表)の著作『琉球独立への道』(法律文化社、2012年刊)から彼らの“ユートピア”を探ってみよう(以下、同著ページ)。
その前に断っておくが、沖縄県民で独立を唱えているのはほんのひと握りだ。琉球新報の県民意識調査(今年元旦号)ではわずか2・6%にすぎなかった。つまり97%強の県民は独立など微塵(みじん)も考えていない。松島氏はイングランドに併合されたスコットランドの独立運動をしばしば例に出すが、スコットランド国民党(同地域の英下院議席59議席のうち56議席を占める=15年選挙)のような独立政党は沖縄には存在しない。県議はもとより市町村議員に独立派がいるといった話も聞かない。
独立派(派というのも、おこがましい)は自己決定権というが、松島氏も認めるように「琉球人の大部分は1972年において『復帰』を求めた」(224ページ)。ところが、松島氏は自決権の行使は1回きりではないとして独立を唱える。
その理由を経済資源のサイクル「発見→採掘→消費→破棄」に例えて、日米政府が「発見→侵略・併合→土地や海の領有化→各種資源の獲得の消費→基地の建設→戦場→破棄」という植民地サイクルに琉球を投げ込み、その最終段階に近づこうとしているからだという(37ページ)。
ここで描かれる植民地サイクルは、まさに南シナ海での中国の「発見→侵略→基地化」を思わせるが、松島氏は米国にだけ矛先を向け、グアム(米属領)と沖縄の独立をけしかけ、こう言う。
「琉球には海兵隊の実戦部隊を配備し、グァムにはその司令機能を置くというアメリカの軍事戦略の下、中国、北朝鮮をはじめとするアジア諸国に対するアメリカの攻撃や戦闘の拠点としてグァムと琉球がセットになって位置付けられている」(232ページ)。
驚いたことに松島氏は「中国、北朝鮮をはじめとするアジア諸国」と言ってのけている。軍拡を続ける共産中国(軍事費が今年、1兆元=約16兆5000億円を超えた)と核・ミサイル開発やVXガスで金正男氏を暗殺した北朝鮮を他のアジア諸国と同列に置くのだ。
これは異様な国際感覚だ。米軍基地に対して敵意をあらわに中国や北朝鮮への「攻撃や戦闘の拠点」とするのは、松島氏が誰の味方なのか、白状したに等しい。
続く
- 0 いいね