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- 17/02/21 16:06:05
汗の臭い対策などとして強い芳香や消臭効果のある洗剤や柔軟剤などの需要が高まる陰で、苦しんでいる人たちがいる。「化学物質過敏症(CS)」の患者たちだ。
他人の衣服に残る柔軟剤などの化学物質がめまいや頭痛などを引き起こすため、飲食店に入ることもためらわれ、会社や学校に行くのが困難になるケースもある。CSは暮らしの中にある化学物質によって発症する身近な疾病にもかかわらず認知度が低く患者は周囲の無理解にも苦しんでいる。
「レストランで匂いの強い人がいると食事ができない」「宅配の人の制服の匂いがつらくて…荷物にも移るから、洗剤を変えてほしいとお願いした」「おおげさと思われがちだが、患者にとっては毒ガスのように苦しい」と訴える。
CSは、平成21年に厚生労働省によってレセプト(診療報酬明細書)に記載できる病名リストに登録された。
ある化学物質を一度に多量に、または少量を慢性的に浴び、許容量を超えたときに突然発症する。スギにアレルギー反応を示して花粉症になった患者がマツにもブタクサにも反応するようになるのと同様、発症原因となった化学物質に限らず、ごく微量のさまざまな化学物質に拒否反応を示すようになることが多い。
化学物質の発生源は、壁紙の接着剤、防虫剤、たばこ、芳香剤に消臭剤、香料など、日常生活の中に無数に存在する。CS患者の発症場所は自宅が約半数で最も多く、職場、学校と続く。
症状は頭痛や倦怠感(けんたいかん)、不眠など多様で、これといった特徴はない。患者は「仕事の疲れ」と考えて病院に行かなかったり、受診しても検査に異常が出にくいため、心身症や、女性の場合は更年期障害と診断されたりすることが多い。
かなりの患者が見落とされているが、日本人の10人に1人はいると推測する。
発症に気付かず化学物質を浴び続けると重症化する恐れもあり、重篤になると、防毒マスクがなければ外出もままならなくなる場合もあるという。
さらに生活の上で欠かせないのが、職場や学校などでの周囲の協力だ。しかし、CSへの理解がなく、患者が柔軟剤や芳香剤の使用をやめてもらうよう求めても「個人のわがままだ」と一蹴されることが多く、退職や不登校に追い込まれるケースもある。CSは誰もがなりうる病気。患者と周囲の人が対応について話し合える社会になってほしい」と話している。
headlines.yahoo.co.jp
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