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- せせり
- 17/02/14 11:21:14
2017/1/20
日本経済新聞(日経スタイル)
http://style.nikkei.com/article/DGXMZO11771280X10C17A1000000?channel=DF280120166607
2016年に生まれた赤ちゃんの名前の人気ランキング(明治安田生命保険調べ)が発表された。ランキングを細かく分析すると、ダイナミックな流行の変遷や名付けの新たな法則が浮かび上がってくる。名前の法則から読み解ける興味深い時代や世相の最新の変化を紹介しよう。
■初見で迷わずに読めますか? ランキング上位の名前
まずは皆さんにクイズ。次の名前が読めますか?
大翔、悠真、陽翔、悠、陽太――。
いずれも16年生まれの男児の人気上位の名前である。はっきり言って、どんな読み方をするのかあまり見当がつかないのではないだろうか。
たとえば大翔は「ひろと」「やまと」「はると」「まさと」、悠真は「ゆうま」「はるま」「ゆうしん」、陽翔は「はると」「ひなと」「ひゅうが」「ひろと」、悠は「ゆう」「はる」「かなた」、陽太は「ひなた」「ようた」「はるた」などと読み方は多種多様。
男児の名前だけではない。女児のランキング上位の名前でも、たとえば陽菜は「ひな」「はるな」「はな」「ひなた」、結愛は「ゆあ」「ゆいな」「ゆめ」「ゆうあ」などと読み方はかなり多い。
このため、最近は保育園や学校でも、病院や役所でも、子どもの読み方が分からずに苦労するケースが増えているそうだ。かつては名前の読み方でこれほど苦労することはあまり多くなかったはず。
一体、何が起きているのだろうか?
■子どもの名付けに新法則、背景にノウハウ本の影響
実は名付けに新しい法則が取り入れられているという。
試しに書店に行くと、赤ちゃんの名付けについてのノウハウ本が書棚に多く並んでいるのに驚く。多くの書籍でよく紹介されているのが(1)好みの音やリズム感でまず名前の読みを決め(2)そこにイメージや願いを込めた漢字を当てはめる――という新しい名付けの法則。
こうすると、同じ読みでも表記がかなり多様化することになる。
たとえば16年生まれの男児の場合(明治安田生命保険調べ)。
「はると」ならば陽翔、晴翔、春翔、陽斗、遥斗、悠人、陽大、悠翔、遥大、陽人、陽仁、陽都、晴斗、大翔、遥人、遥翔、晴登、悠仁、悠斗、陽登など、「ゆうと」ならば悠人、悠斗、悠翔、優斗、悠仁、優翔、結人、佑斗、勇人、悠登、裕翔、勇翔、祐人などと、それぞれ50種類以上もの表記が使われている。
■音から読みを決め、好みの「当て字」を当てはめる
同じ読みでも表記に異なる漢字を使うことで、他人とは一味違う個性を演出しようというわけ。
特に表記に「当て字」が認められていることが、こうした傾向に拍車をかけている。
「当て字」は漢字の読みが自由に決められるので、表記を見ただけでは簡単に読み方が分からない名前がどんどん増える。特に人気の高い漢字は集中しているから、悠人、悠仁、悠斗、悠翔など「はると」とも「ゆうと」とも読めるような名前が増えてしまい、混乱する場面がしばしば起きる可能性も出てくるのだ。
最近、読めない名前が増えている背景にはこんな事情がある。
では、16年生まれの男児の名前の読みの人気ランキング(明治安田生命保険)を見てみよう。漢字の表記の人気ランキングとかなりの乖離(かいり)があることに気がつく。同じ読みの名前でも表記方法が異なり、同じ表記の名前でも読み方が異なる。ノウハウ本で紹介した名付けの法則が、表記と読みのランキング結果に大きなズレを生じさせているわけだ。
>>1 ランキング上位の名前、好みの音を組み合わせて命名
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