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- おせち(余りものどうしよう)
- 17/01/24 12:03:54
提供しているフローレンスの駒崎です。
障害児のお母さんから、こんなことを聞きました。
「少し混んでいる電車に、子どもと乗ったら、『混んでるんだよ。邪魔だからベビーカーたためよ』と怒られました」
「お店に入った時に、『場所を取って他のお客様のご迷惑になるので、(ベビーカーは)お控えください』と店員さんに言われました」
こども用車椅子(バギー型車椅子、通称バギー)が、よくベビーカーと間違われるということなんです。
こども用車椅子の意義】
バギーを使う子ども達は、首が座っていなかったり、寝たきりであったり、姿勢が固定できなかったりします。そうすると、一般のベビーカーはもとより、普通の車椅子でもフィットしません。
その子どもの障害に合わせて背もたれの角度を変えられたり、姿勢を固定できる、ということが大きいです。
また、医療的ケア児の場合は、人工呼吸器などの医療デバイスを常に持ち歩かなくてはいけないので、デバイスごとバギーに入れておける、というのは移動するのに非常に助かります。
重度障害児の親にとっては、バギーがなければ、子どもを連れての移動は非常に難しくなるのです。
【バギーがわりにベビーカーを使うことも】
重度障害児の中には、先天性異常で体が大きく成長せず、長くバギーを使う子もいます。そういった子どもの中で、姿勢も安定して、医療的ケアもそこまでない、という子であれば、一般の重量の軽いベビーカーを使う場合があります。
また、外部からは分かりませんが、心臓疾患で長い距離を歩けない子ども達も、比較的大きくなってもベビーカーに乗ります。そうした場合のベビーカーは、実質的にはバギーと同様の役割を担っていると言えるでしょう。
【ベビーカーに優しい社会は、車椅子にも優しい社会】
そういったケースの当事者からして見たら、「ベビーカーで混んでるところに来るな」「電車でたためよ」等の言葉は、非常に抑圧的に響くことになります。
バギーを利用する子どもの多くは首が座っていなかったり、医療デバイスがついていて、バギーからすぐには降ろせない子ども達です。またベビーカーをバギー代わりに使う子ども達にとっても、ベビーカーは命綱です。
ベビーカーに厳しい態度をとる人々は、ベビーカーとバギーの違いも、ベビーカーが車椅子の代替になっている現状も知らない場合がほとんどなので、多くの障害児家庭を萎縮させ、嫌な思いを感じさせている側面もあるのです。
ベビーカーに優しい社会は、こども用車椅子にも優しい社会だ、と言えるでしょう。
【当事者からの発信】
バギーが一般の人からは分かりづらいため、マークが作られています。「バギーマーク」です。
医療的ケア児の当事者のお母さん達が作っていて、ネットでも販売しています。自分たちは子どもの介護で大きな負担を負っていながら、バギーに対する無理解から辛い思いをしたことをきっかけに、バギーマークを作って、社会の理解を得ていこう、と活動をしています。
こうしたマークがあったら、周囲の人たちは「あ、子ども用車椅子なんだ」と気づけますね。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/komazakihiroki/20170122-00066851/
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