えんがわ
ラコステのクロコダイルは、あらゆる人のポロシャツを飾ってきた。
しかしニューハンプシャー州ハンプトン在住のマックス・イリッチさんが着るラコステのシャツにはおなじみのマークは見当たらない。
少なくとも10枚のシャツから自力でクロコダイルのロゴマークを外したからだ。「コツがいる手術」だが、「出来栄えには満足している」そうだ。
イリッチさんは以前付き合っていた外科医の女性から外科用のメスを借りて、シャツの生地を傷めずにクロコダイルの刺しゅうをほどき、跡を隠すために4回ほど洗濯した。ラコステのシャツを着るのは質が良いからだが、ロゴマークは「これ見よがし」だと感じている。
「どうして私がただで他人の宣伝をしなければならないのか」ブランド戦略への反発から衣料品やアクセサリーからロゴマークや社名を必死に外そうとする人々が現れた
インターネット上ではレンズからレイバンのロゴを消したり、新品の革靴からラルフローレンのエンブレムをはがしたり、フェルトペンを使ってスポーツ用品からアンダーアーマーのマークを隠したりする方法が紹介されている。
スポーツウエアについているビニールのロゴを外すのは特に厄介だ。マニキュアの除光液で消そうとする人もいれば、ウエアを裏返しに着てロゴを隠す人もいる。
1990年代から2000年代にかけて、消費者は鼻高々にブランドネームを見せびらかしていた。しかし今では、同じブランドマークを身につける没個性を避け、ロゴのない衣類を好む消費者が登場した。
シアトル在住のガブリエル・グティエレスさんはアバクロのシャツが理想的にフィットすると言う。しかしヘラジカのロゴマークは見せたくないそうで、「ちょっとしたジレンマだった」そうだ。
シャツを「脱アバクロ化」する方法を知ったグティエレスさんは生地販売店のバーゲンコーナーからアップリケを買ってきて、ヘラジカのマークの上にアイロンで貼り付けた。目玉や笑顔、ヤシの木のシャツは自分の好みになったと語った。
2016 12 26 wsj.com
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