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秋刀魚
茨城県のご当地ヒーローが先月27日、81歳で亡くなった女性ファンの通夜に参列しました。もともと、入院中だった彼女をサプライズでお見舞いするはずだった日のことです。棺の中にはグッズや写真が多数納められ、遺影はショーのときに撮影した写真が使われていました。無言で焼香する後ろ姿の写真がツイッターに投稿されると、「真のヒーローだ」と称える声が上がりました。
クールな「イバライガーブラック」
通夜に参列したのは「イバライガーブラック」。運営団体である「茨城元気計画」に複数いるイバライガーの一人です。公式ホームページのプロフィールには以下のように書かれています。
タイムスリップ事故の影響で、イバライガーRのエネルギーコアが分裂し、もう一人のイバライガーとして実体化した孤高の戦士。恐るべき戦闘力とクールな判断力でイバライガーたちの危機を度々救うが、常に『環境が破壊された未来を変える』という使命を優先しているため、時に人間やイバライガーRにも牙をむくことがある
クールな性格ですが、握手会に並んでいる列に近づいてちょっかいを出すなど、おちゃめで優しい面も。女性からの人気が高く、グッズは他のメンバーの倍近く売れるそうです。
サプライズお見舞いのはずが…
81歳で亡くなったのは、ブラックの大ファンだった茨城県桜川市の女性です。
今年2月に体調を崩して入退院を繰り返し、9月末に末期がんと診断されました。入院中も「ブラックに会うために元気にならなきゃ」と言って、多少無理をしながら食事をとっていたそうです。
体調を崩してからも家族と一緒にイバライガーのショーに何度も足を運び、今年7月の81回目の誕生日には群馬県まで出かけました。終了後、女性がいることに気付いたブラックが駆け寄ってきて、ハグをしてくれたそうです。
女性が入院していることを聞いたブラック。家族や病院と打ち合わせた上で先月27日にサプライズでお見舞いに行く予定でした。ところがその前々日の25日、亡くなったという知らせが届きました。
通夜にブラックが
「せっかく企画していただいたのですが……」と話す家族に、運営団体の代表・卯都木睦さんは「通夜に参列させてください」と申し出ました。
27日に開かれた通夜の会場には、ショーの時に撮影した写真が加工され、遺影として飾られていました。一般の人たちが焼香を済ませた後に現れたのは、卯都木さんではなく、いつもと同じ姿のブラックでした。
棺の前に立って中を見ると、サイン色紙やタオルなど自分のグッズや、一緒に撮った写真がたくさん納められていました。無言で焼香を終えたブラック。その後ろ姿を撮影した写真がツイッターに投稿されると、多くの人が反応しました。
「これはマジ泣いた!真のヒーローだ」
「ヒーローが焼香あげに来てくれるなんて最高のサプライズ」
「おばあ様の生涯のヒーローになれたのですね」
「おばあゃんらしいね」
女性の孫娘(37)は「運営団体の代表が参列すると聞いていたので、ブラックが来ることは私たちも知りませんでした」と振り返ります。
もともと孫娘がブラックのファンで、一緒にショーに足を運ぶうちに、女性も好きになっていったそうです。
「ブラックが来たことで周囲の反応が少し心配でしたが、みんなが『おばあちゃんらしいね』と受け入れてくれて、笑い泣きしました。生きてるうちに会わせたかったけど、きっと喜んでくれたと思います」と孫娘は言います。
通夜に参列したブラックに思いを聞いたところ、いつもの口調でこう答えてくれました。「ファンの元へ駆けつけるのは当然。当たり前のことをしただけだぜ!」
http://withnews.jp/article/f0161104002qq000000000000000W00o10101qq000014252A
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