• No.1 ぐるぐるタイフーン

    16/09/27 01:05:33

    ■広がる「聖地巡礼」 一方で課題も…

    アニメの舞台となった地をファンが訪れる「聖地巡礼」は、この10年で各地で広まった。2007年のテレビアニメ「らき☆すた」では、埼玉県鷲宮町(現・久喜市)の鷺宮神社が舞台となり、神社はアニメ聖地として広く知られるようになった。アニメ放送翌年の2008年、初詣の参拝者は30万人と前年の3倍以上に。町の商工会議所もアニメ制作側と連携し、グッズ販売やイベントを企画。「聖地巡礼」の成功例として挙げられることが多い。

    近年でも、アニメの「聖地」として注目を浴びる場所は生まれ続けている。『ガールズ&パンツァー(ガルパン)』の舞台となった茨城県大洗町には全国からファンが殺到し、商店街はファンでにぎわいを見せている。また、『ラブライブ!』に登場した神田明神は制作会社とコラボ。キャラクターが描かれた絵馬やお守りを発売。神社の境内には、作品のキャラクターなどを描いたいわゆる「痛絵馬」が数多く奉納される「聖地」となった。こうした現象から、アニメの「聖地巡礼」は地域活性化策の1つとして注目されている。

    その一方で、「聖地化」には課題もある。大ヒット中のアニメ映画「君の名は。」では、劇中に登場するシーンのモデルとなったと思われる場所にファンが訪問する動きが過熱。近隣住民からは騒音などの苦情が相次いでおり、制作委員会が公式サイトで注意を呼びかけたが、ファンが骨折するなどの事故も発生した。

    また、想定外の「聖地化」で自治体側が戸惑う例もでている。熊本県甲佐町には「昭和の軍神」とうたわれた西住小次郎大尉の顕彰碑があるが、ここには『ガルパン』のファンが聖地巡礼に訪れているという。ファンの間で、西住大尉は『ガルパン』の主人公・西住みほのモデルではないかとされているからだ。甲佐町の産業振興課は熊本日日新聞の取材に対し、「甲佐町の知名度が上がるのはありがたいが、観光資源としてふさわしいかどうかは今後検討したい」としている。

    自治体側の受け入れ態勢が整っていない中でファンが殺到することは、そこに住まう人々の日常生活を壊してしまう可能性がある。アニメツーリズム協会も、この点は危惧しているという。

    協会事務局の広報担当者は、「(協会には)権利者、自治体もメンバーに入る。どうすれば問題を解決できるか、一緒に考えていきたい」とした上で、「大多数のアニメファンの方たちはマナーが良く、環境整備をしっかりすれば地元の方にも受け入れてもらえるはず。(ファンが勝手に)やってくるのではなく、(「聖地」がファンを)迎え入れるためのお手伝いをしていきたい」と、「聖地」の自治体や地域住民と連携しながら具体的な受け入れ策を考えていく方針だ。
    (吉川慧)

    ハフィントン・ポスト 2016年09月24日
    http://www.huffingtonpost.jp/2016/09/23/anime-tourism-88_n_12157680.html

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