• No.1 ソーラン節

    16/09/15 13:03:37

    ◆今夜は十五夜! 「中秋の名月」は見やすいってホント?

    今週は秋雨前線の動きから目が離せません。楽しみにしていた今夜の十五夜。「中秋の名月」がぶじに見られることを祈りましょう。
    平安時代の貴族は月下に宴を張り、水面に映る月影をめでて詩歌を読む、というなんとも優雅な楽しみかたをしていたようです。
    月の盈ち虧けで月日を知り、米作りなど農作業を行っていた人々にとっては、秋の空に明るく浮かぶ満月を眺める気持ちは、豊作の祈願、収穫の感謝とともに格別の喜びがあったことでしょう。
    このように陰暦の8月15日は特に「仲秋の名月」として大切にされてきました。でも、ふしぎに思ったことはありませんか? 30日に一度はやって来る満月ですが、なぜ秋のこの時の満月が特別なのでしょうか?
    理由はいくつかあるようですよ。

    続く

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  • No.2 ソーラン節

    16/09/15 13:04:59

    >>1の続き

    ◇調べてみると、秋の月は見やすい高さにあるんです

    春夏秋冬の四季のうつろいは、地球の地軸が23.4度傾いているために起きていることはみなさんよく知っていることですね。太陽からの光の角度が変わるので、北半球では太陽の位置は夏至で最も高くなり、冬至で最も低くなります。夏至の時は地軸が太陽の方に向いており、冬至の時は太陽と反対に向いています。このことから月に対しても同じことがいえるのではないでしょうか。地軸が月の側に向いているときに月の高さが最も高くなり、逆に向いているときに最も低くなるということですね。さて、中秋の名月はどのあたりで輝いているのでしょうか?
    今年の春分、夏至、秋分、冬至前後の月の南中高度を国立天文台のHPにある<暦計算室>調べてみました。

    [春分]
    新月:3月 9日 49.8度
    上弦:3月16日 72.2度
    満月:3月24日 51.0度
    下弦:3月 2日 36.7度

    [夏至]
    新月:6月 5日 71.6度
    上弦:6月12日 57.4度
    満月:6月20日 35.0度
    下弦:5月28日 40.1度

    [秋分]
    新月:9月 1日 62.7度
    上弦:9月 9日 36.2度
    満月:9月16日 49.6度
    下弦:9月24日 72.5度

    [冬至]
    新月:12月29日 34.7度
    上弦:12月 6日 43.3度
    満月:12月15日 72.9度
    下弦:12月22日 52.6度

    参考:国立天文台天文情報センター暦計算室

    このようにしてみると季節によって月の高さはずいぶんと違うものですね。
    春分の頃は上弦の月が高く、夏至の頃は新月、秋分の頃は下弦の月、そして冬至の頃の空は満月が高く輝いているわけです。
    「中秋の名月」は高くもなく低くもないちょうど良い高さで楽しめる位置にある、ということではないでしょうか。月を生活の中に感じて暮らしていた昔の人にとっては、自然に身についた感覚だったのかも知れませんね。

    「アレアレ? 春の満月も高さを見ると秋と同じくらい見やすい高さにあるからお月見にいいんじゃないかしら・・・」
    と思われますか? 確かに高さとしたらちょうどよさそうですが、春分の頃といえば春とはいえまだまだ平均気温が今の東京でも10度前後。その昔のこと、と想像するとお月見をするにはちょっと寒すぎたのではないでしょうか?

    国立天文台天文情報センター暦計算室のURLから、日本各地の月の出、月の入り、南中などのデータが見られますので、参考にして下さい。

    続く

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