戸塚ヨットスクール・戸塚宏氏が持論「体罰は相手を進歩させようとする行為」(長文)

匿名

五目スープ

16/07/13 02:35:25

※SAPIO2016年8月号

 いまや熱血指導という名の下でも、体罰は「絶対悪」の時代である。
ただし一方の意見のみが「正義」とされる世の中は、何がしかの窮屈な思いを抱かせる。
戸塚ヨットスクール校長で、指導中に生徒が死亡したことで非難を浴びた戸塚宏氏(75)は、今でも体罰肯定論者である。
その意見に賛同することはできないが、現在の教育界の歪みを照射しているのも事実だ。
ノンフィクションライターの中村計氏が訊いた。

 * * *

 悪いことをしたら、戸塚ヨットスクールに入れるぞ。

 1970年代から1980年代にかけ、そんな親の「脅し」が通用した時代があった。
太平洋横断レースで優勝するなど世界的なヨットマンでもあった戸塚が、愛知県知多半島の小さな入江にヨットスクールを開校したのは、1976年のことである。
 戸塚ヨットスクールは転覆しやすいヨットを使って、体罰も辞さない超スパルタ教育で技術を教え込んだ。
また、合宿所で集団生活をする中で甘えを削ぎ、当時、社会問題になっていた登校拒否になった子どもや家庭内暴力で手の付けられなくなった子どもを更生させ、世間の耳目を集めた。

 ところが70年代末から80年代初頭にかけ、訓練中の死亡事故が相次ぎ、1982年にはフェリーでの移動中に海に飛び込み脱出をはかった2名も命を失った。
世間の目は賞賛から非難へと一変する。
そして1983年、校長の戸塚を含むスタッフ13人は傷害致死の容疑で逮捕された。

 長期裁判の末、戸塚はスタッフの中ではもっとも重い懲役
6年の実刑判決を受けた。
2006年に出所した戸塚は、押しかけたメディアの前で「今も体罰は教育だと思いますか」と問われ、敢然と言い放った。
「体罰は教育です」

 この発言によって戸塚は、メディアから再び「悪」の刻印を押され、世間から葬り去られることになる。
──出所会見で、本音はどうであれ
「思いません」と言ってしまった方が賢い選択だったとは思いませんか。
「だってね、体罰なしの教育でダメになって、うちで体罰を受けながら更生したヤツが大勢おるわけじゃん。
そいつらに、どう言うの? 子どもが亡くなったのも、どう考えたって事故。
こちらは、いいと思っとってやったんだから。
体罰を否定したら、卒業生たちを裏切ることになっちゃうよ」

続く

【スパルタ教育が物議を醸した 共同通信社】

コメント

古トピの為、これ以上コメントできません

  • No.1 五目スープ

    16/07/13 02:37:39

    続き

     その信念は今も微塵も揺らいでいない。
    2012年12月、大阪市立桜宮高校のバスケ部で、監督から体罰を受けた生徒が自殺した事件でも、マスコミにコメントを求められたら、体罰肯定論を堂々と語るつもりでいた。
    「体罰反対で日本中が盛り上がったじゃん。ああいうときこそ、うちを出すべきやろ。なのに(マスコミが)ぜんぜん来ない」
    ──断ったわけではないんですね?
    「違う。むしろ、出たがっとるのに」

     某テレビ局一社から取材依頼があったが、録画放送が条件だった。
    しかし戸塚の仕事の事情で収録時間に間に合わず、生放送になった。
    「好き放題に話した。そうしたら後でディレクターは上の人にだいぶ怒られたみたいだね。
    録画でコメントとって、その反対意見をスタジオで展開するつもりだったんでしょう」

     桜宮高校バスケ部事件でも、戸塚の目は、まずは子どもの本質に向かう。
    「あの事件は、どうしてそんなことで死ぬような子どもに育てたんだというところから始めないといけない。
    でないと、ああいう問題はなくならんでしょう。
    自殺は周りの人を脅していることと同じ。復讐ですよ」

     戸塚に言わせれば、体罰と暴力は明確に異なる。
    「体罰は相手を進歩させようとする行為でね、本能的にやるんよ。本能は善。
    今の時代は、本能を悪にしとるからおかしくなってる。
    教育の底にあるのはラショナリズム
    (理性主義)よ。
    大和魂じゃなく、ヨーロッパの精神論よ」

  • No.2 五目スープ

    16/07/13 02:40:22

    >>1 続き

     取材中、何度も
    「ラショナリズム」という言葉が口をついた。
    戸塚が言わんとすることはこうだ。
    戦後日本に根付いた欧米型教育は、何より自由、平等、人権を尊ぶ。
    だが、まだ規範も身についていない子どもたちにそれらを与えても理性など育たない。
    理性は与えられるものではない。
    本能を呼び覚ませば、自ずと作られる。

     そう説明した上で戸塚は続けた。
    「だからこそ体罰は感情的にやらんといかん。理性で叱ったら冷たいやろう。
    感情がこもっとりゃ温かいから、叱られた方もこちらの気持ちを受け止める。
    反発ならなおいい。
    それは怒りだからね。怒りは進歩のエネルギーになる」

     体罰にもテクニッックがある。
    心の中で「進歩だ、進歩だ」と唱えて拳を上げると、力の加減や痛みを加える部分を自然と判断できるようになるという。
    「傷つけるのが目的じゃないからさ。
    体罰の下手なやつは、恐怖でやっとる。
    『俺の言うこと聞かなかった』という恐怖なんよ。
    俺をバカにしとると。
    そうすると、相手も恐怖で返してくる。
    でも怒りで行くと、向こうも怒りを発生させる。
    それが進歩につながる」

    ■戸塚宏/戸塚ヨットスクール校長。
    1940年生まれ。名古屋大学工学部卒。
    1975年、沖縄海洋博記念「サンフランシスコ─沖縄単独横断ヨットレース」優勝。
    1976年、愛知県美浜町に戸塚ヨットスクールを開校。

    ※SAPIO2016年8月号

  • No.3 五目スープ

    16/07/13 02:47:15

    過去記事

    戸塚ヨット訓練生が自殺=「生きるのつらい」と遺書―愛知

     9日午前7時35分ごろ、愛知県美浜町北方宮東、戸塚ヨットスクール(戸塚宏校長)の3階建ての寮の前で、訓練生の男性(21)が頭から血を流して倒れているのを同校関係者が見つけ、119番した。
    訓練生は病院に運ばれたが、出血性ショックで死亡した。

     寮の屋上には、遺書のような書き置きが残されており、県警半田署は飛び降り自殺とみて調べている。

     同署によると、書き置きには「生きていくのがつらい。死にたくなった」といった内容が書かれており、屋上にジャンパーや眼鏡と共に残されていた。 

    (時事通信社 01/09 15:38)(12/01/09)

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