教習生側と自動車学校側、和解成立へ　津波避難巡る訴訟 へのコメント（No.1）

毎日新聞

宮城・教習所津波訴訟

　常磐山元自動車学校の教習生２５人とアルバイトの女性従業員の遺族が、学校側に損害賠償を求めた訴訟は、仙台高裁（小野洋一裁判長）で教習生の遺族との間で２５日に和解が成立する見通しとなった。

遺族側代理人が２３日、明らかにした。

　１審仙台地裁判決は、自動車学校側に計約１９億１千万円の賠償を命じていた。関係者によると、和解条件には１審判決で認められた賠償額よりも大幅に減額された金額を学校側が支払う内容が盛り込まれ、教習生側の遺族全員が応じるという。

これまでの高裁の審理を踏まえ、判決に至れば、遺族側に厳しい判断が示されるのではないかとの見方も出ていた。

遺族側代理人は「和解内容は成立後にコメントする」とし、明らかにしていない。
　女性従業員の遺族との和解協議は分離されている。

　昨年１月の仙台地裁判決は、自動車学校は海岸から約７５０メートル離れていたが「避難を呼び掛ける消防車両からの声が聞こえていたと推認でき、津波の襲来は予見可能だった」と判断。

学校側の安全配慮義務違反と教習生らの死亡との間に因果関係があると認定し、学校側に賠償を命じた。

　学校側と、役員ら個人の責任が認められなかったことを不服とした一部遺族が控訴し、高裁が今年４月に和解案を提示していた。