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>>12741の続き
■メディアの常識で測れない絶対王者・羽生結弦
五輪連覇を目指す羽生結弦が、もしケガをしなければ、このように静かな3カ月を過ごせただろうか。
「苦しいリハビリの日々」と周囲の誰もが思い込んでいる。だが、一部を除いて大半の報道陣が取材を自粛し、接触を図らなかった。そんな快適な環境を、他の方法で獲得できただろうか。
ブランク、3ヵ月ぶり、「2ヵ月氷に乗れなかった」といった状況やコメントのすべてが、メディアやファンの中では〈羽生の苦しさ〉を表現し増幅する材料となった。しかし、一度乗れるようになった自転車は、3ヵ月乗らなくても、乗れない過去には戻らない。
「僕はオリンピックを知っている」
日本中を驚かせた羽生結弦のショートプログラム後のコメントも、メディアが羽生を「依然として傷ついた白鳥」のように扱うからこそインパクトが大きかった。しかし、羽生結弦はケガのブランク、調整不安、実戦不足、といったメディアの常識で測れるようなアスリートではなかった。
氷に上がる準備ができて、五輪の舞台に立つ以上、羽生結弦には金メダルを首にかける以外のストーリーは受け入れられないものに違いなかった。3ヵ月のブランクを、世間ほど羽生は恐れていなかった。
スポーツは単に力や速さ、技を競うのではなく、そういう全体プロデュース、メディアや組織も味方につける戦略性も重要な時代に入ったことを平昌五輪で羽生結弦は教えてくれた。
<了>
https://victorysportsnews.com/articles/6510/original- 2
18/08/04 13:19:49