甘利経済再生担当相が辞任表明 へのコメント(No.15

  • No.14 匿名

    16/01/30 02:33:24

    >>13続き】

    ■安倍首相が甘利氏を必要とした理由
    私は、むしろ甘利氏にはしばらく続投していただいて、与野党の質問に応える役割を果たしたほうが良かったのではないか、とさえ思う。代わりはいないのだ。献金疑惑の責任を負わなければならないのは当然だが、辞めるのは質疑が一段落した後でも遅くはなかった。

    永田町は権力闘争が本質だから、野党にとってはTPPをめぐる政策論争より、閣僚のクビをとるほうがはるかに重要という理屈も分からなくはない。とはいえ、TPPが国民生活に密接に関わるのはだれもが認めているとおりだ。

    TPPはこれまでのどの通商協定よりも日本に与える影響が大きいと言っても過言ではない。そんな重要案件の全体像と細部のすべてを知る人物が、国会で国民に説明する機会が失われていいのだろうか。

    野党は献金疑惑の追及もさることながら、辞任した甘利氏にTPP交渉の実態について質す機会を考えるべきだ。それは与党にとっても必要だろう。国民が甘利氏に聞きたいことでもあるはずだ。

    次に、甘利氏が安倍政権内で担ってきた役割である。

    甘利氏はTPP交渉担当だけでなく、経済再生相としてアベノミクスを推進する役割も果たしてきた。ここで重要なのは、アベノミクスが霞が関や日銀から生まれた政策ではなく、安倍首相個人の政策的確信から生まれたパッケージである点だ。

    そうであるからこそ、アベノミクスを強力に推進しようとすると、いきおい財務省をはじめとする霞が関や日銀との軋轢が避けられない。もっとも分かりやすいのは増税問題だ

    【続く】

  • No.15 匿名

    16/01/30 02:34:03

    >>14続き】

    ■「財務省派」が勢いを増す
    財務省は常に増税に賛成し、減税に反対する。

    だが、デフレを脱却して景気を良くするには、当面はできる限り増税を避けて減税を進める必要がある。安倍政権が2014年11月に消費税10%への増税先送りを決断する一方、法人税減税を推進してきたのは、それが理由だ。

    甘利氏は財務省の圧力が強まった局面では、常に首相官邸サイドに立って両者の調整役をはたしてきた。甘利氏の辞任によって、安倍政権はそういう調整役を失った。

    政策面だけではない。政治的にも、甘利氏は第2次安倍政権誕生へのジャンプ台になる2012年の自民党総裁選で安倍選対の責任者を務めた、首相の盟友である。そんな甘利氏が表舞台から消えるのは、安倍首相にとって大きな痛手だ。

    甘利氏の退場によって、内閣の屋台骨は安倍首相と菅義偉官房長官、麻生太郎財務相の3人という形になる。麻生氏が財務省寄りなのは周知の事実だ。加えて自民党をみれば、同じく財務省寄りの谷垣禎一幹事長が中核に座っている。

    こうしてみると、政権全体の力学バランスは微妙に財務省有利に変わるのではないか。

    甘利氏の後任として経済再生相に就いたのは石原氏だ。石原氏は幹事長、政調会長という党の重職を務めた一方、閣僚としては行革相、国土交通相、環境相などの経験しかない。経済担当閣僚としては未知数といっていい。これが3点目だ。

    2012年の自民党総裁選に立候補したときは、ロイター通信のインタビュー(http://jp.reuters.com/article/zhaesma-idJPTK089206420120911)に答えて「金融財政のスペシャリスト」と売り出したが「為替政策がデフレに一番効くことはだれもが分かっている」などと発言した。

    【続く】

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  • No.16 匿名

    16/01/30 02:34:44

    >>15続き】

    ■内閣改造も視野に入れている?
    「為替政策がデフレに効く」などと言った時点でトンチンカンなのがバレバレだった。そもそも「為替政策」などという代物が本当にあると思っていたのだろうか。日本銀行が単独で為替市場に介入したところで、巨大なグローバル市場に実質的な影響を及ぼせないのは、スペシャリストであれば常識だ。

    そんな石原氏が経済再生相に就任して、TPP交渉について実のある答弁ができないのは当然としても、経済財政諮問会議を取り仕切ってアベノミクスを推進する役割を果たせるだろうか。ここは不安材料である。

    それでも安倍首相が石原氏を起用したのは、政策面より政治的なサポートを期待したためだろう。安倍首相と石原氏はかつて根本匠元復興相、塩崎恭久厚生労働相と4人の頭文字をとって「NAISの会」を結成していた。こちらも盟友の1人だ。

    7月には参院選、あるいは衆参ダブル選挙がある。安倍首相には、それまで国会をしのいで選挙に勝てば、いずれ内閣改造という判断があるかもしれない。いずれにせよ、ここは政権の正念場だ。

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