食べ物を喉に詰まらせて窒息しそうな人を助ける方法は？

Mocosuku Woman 9月30日 12時27分配信

大阪市で9月11日、小学校1年の女児が給食のおかずをのどに詰まらせて意識不明の重体となる事故が起きました。市の教育委員会は、29日にこの女児が入院先の病院で亡くなったことを発表しました。もし、目の前にいる人が食べ物を喉に詰まらせた時、私たちはどうしたらいいでしょうか？

◆喉にものが詰まるとどうなる？

飲み込んだ異物が気道を完全に塞いでしまうと、その結果窒息状態となります。この女児の場合は、「鶏肉と野菜のうま煮」を食べていた時にのどを詰まらせたとのこと。救急車内でウズラの卵などを取り出したそうですが意識は戻らなかったそうです。

人が食べ物を喉に詰まらせると、次のような状態になります。突然苦しみ出し、口をぱくぱくさせ、必死で呼吸をしようともだえ苦しみます。時間が経つと顔色が悪くなり、意識を失います。異物を取り除かなければ、心臓が止まってしまいます。

◆ものを喉に詰まらせた時の応急処置

呼吸できない時間が長引くと、死んでしまったり大きな後遺症が生じたりします。次の方法を迅速に行ってください。これらの救護を行いつつ、他の人に救急車を呼んでもらいましょう。

【意識がある場合】
意識があり、呼吸ができる時は、本人に強く「咳」をさせます。これで詰まっているものを吐き出させるようにします。これが最も効果的です。口の奥にある異物を指で取り除くことは難しく、かえって異物を奥に押し込んでしまうことになりかねません。喉の奥に無理に指を入れるのは避けましょう。

●背部叩打法
口の中に異物が見えない時、背中を叩いて異物を取り出す方法です。子供の場合は、うつ伏せにして抱きかかえるか、太股の上に載せて、頭が体よりも下になるようにしてください。肩甲骨と肩甲骨の間を力強く5回ほど叩いたら、口の中に異物が出てきたかどうかを注意深く確認してください。

●ハイムリック法（腹部突き上げ法）
相手を立たせるか座らせた状態にして、背後から両脇に腕を通して抱きかかえ、救護する人と体を密着させます。背後から抱き抱えた状態で、一方の手で握りこぶしを作って、親指側を上腹部（ヘソより上、みぞおちより下）に当てます。ここが圧迫位置です。もう一方の手で握りこぶしを包むようにして、しっかりと握り、手前上方に向かって素早く突き上げます。何度か試して、効果がない場合は背部叩打法に切り替えます。なお、意識がない場合にハイムリック法を行ってはいけません。胃から逆流したものが気道に入る可能性があるからです。

【意識がない場合】
小気道や呼吸の障害で心停止になっていると考えられるので、救急車を呼ぶより先に心肺蘇生法を行います。まず2分間の心肺蘇生法（1分間に100回ほどのテンポで心臓マッサージ）を行います。

◆時間は限られている

心肺蘇生法を開始する時間が1分遅れると、命が助かる割合は7～10％ずつ低下していき、10分経過してしまうと、ほぼ助からない状態となってしまいます。また、心臓が停止して脳に酸素が送られない状態が3～4分以上続くと、助かっても重い後遺症が残る可能性があります。一刻を争うので、いざという時のための救急処置の訓練をしておく必要があります。