- ニュース全般
- 匿名
- 15/09/15 01:01:54
愛知県が出資する3つの外郭団体に「天下り」した元県幹部の社長や理事長が、互いにポストを譲り合う形で入れ替わる人事が行われていたことが分かった。県人事課は、うち2団体に元幹部をあっせんしたことを認め、「団体の求めに応じただけ。問題でも不自然でもない」と説明するが、任期を2年以上残して別の団体に移った例もあり、識者からは「既得権益の譲り合いだ」との批判も出ている。
3団体は県信用保証協会(名古屋市中村区)、県健康づくり振興事業団(同県東浦町)、愛知環状鉄道(同県岡崎市)。事業分野はそれぞれ金融、健康、鉄道と異なる。
県や各団体によると、信用保証協会では2010年から理事長を務めていた元副知事の西村真氏(67)が今年4月、3期目の任期を2年以上残し、今年6月末に「自己都合」での退任を申し出た。県は後任の理事長含みで新理事を初めて公募。その結果、都銀出身者も含む計11人の応募者の中から元副知事の小川悦雄氏(63)を選んだ。
小川氏は14年5月に健康づくり振興事業団の理事長に就任したが、保証協会への転身を理由に任期を1年残し、今年6月末で退任した。7月1日付で保証協会の理事に就き、理事長に互選された。保証協会の理事長は1971(昭和46)年以来、8代続けて元副知事が就任した。
一方、健康づくり振興事業団は小川氏の後任に、今年6月29日まで愛知環状鉄道の社長を務めた元県企業庁長の山川利治氏(63)を7月1日付で起用。さらに愛知環状鉄道が6月29日付で山川氏の後任に迎えたのは、保証協会を退任する西村氏だった。
県人事課は本紙の取材に対し、健康づくり振興事業団、愛知環状鉄道の依頼に応じ、それぞれ山川氏、西村氏を推薦したと認めた。保証協会理事長を任期途中で辞めた西村氏を愛知環状鉄道に推薦したことについて、同課担当者は「保証協会を辞めた経緯や理由を確認していないし、追及する立場でもない」と述べた。
県は毎年、過去2年間に課長級以上で退職した元職員の再就職先を公表しているが、副知事など特別職の退任者は対象外。各団体や県によると、退職金は約款で「県を退職後に常勤役員に就任した者には退職手当を支給しない」(保証協会)と定められていることなどから、3人とも六月まで務めた前職の退職金は支給されていない。
(中日新聞)
- 0 いいね