小樽４人死傷ひき逃げ、危険運転を否認　初公判で被告 へのコメント（No.35）

小樽飲酒ひき逃げ、控訴を棄却…札幌高裁

　北海道小樽市で昨年７月、海水浴帰りの女性３人が死亡、１人が重傷を負った飲酒ひき逃げ事件で、自動車運転死傷行為処罰法違反（危険運転致死傷）などに問われた札幌市西区、無職海津雅英被告（３２）の控訴審初公判が８日、札幌高裁であった。

　弁護側は過失運転致死傷の適用を訴え、検察側は控訴棄却を求めて即日結審。高橋徹裁判長は「危険運転を適用した地裁判断に誤りはない」と述べ、求刑通り懲役２２年の実刑判決とした１審・札幌地裁の裁判員裁判判決を支持し、控訴を棄却する判決を言い渡した。

　控訴趣意書で弁護側は、地裁判決が危険運転を適用する主な根拠とした「（スマートフォン操作による）１５～２０秒もの脇見運転」について、「被告人質問での感覚的な動作や供述を根拠にしており、証拠に基づかない不合理な判断」と主張。「『ながらスマホ』による前方不注視という明確な事故理由がある」として、過失運転の適用を訴えた。

　高橋裁判長は「被告がスマホを見る動作は弁護人が補充的な質問で裏付けており、１５～２０秒との認定は合理的」と指摘。事前の飲酒量や運転状況の異常さなどを踏まえ、「『アルコールの影響で正常な運転が困難な状態だった』との判決に不合理な点はない」と結論づけた。

12月08日 13時49分 YOMIURI ONLINE