- なんでも
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自分の話だけど…
私が小学5年のとき、父は肺がんで亡くなりました。父は45歳でした。
亡くなる前の父の記憶はあまりたくさんありません。
毎日遅くまで仕事をしていた事、帰ってきてから母と仲良く晩酌していたこと、何をするにも遅い私に頭をペチッと叩き叱ったこと、小学生の夏休みに学校にある花壇に水をくれに一緒に行ったこと。
思春期が訪れ、徐々にあまり父とは会話をしなくなりました。
あとは病院にいる姿しか思い出せません。
まだまだ働き盛り、単身不妊から体調がおかしいという理由で帰ってきた矢先のことでした。
レントゲンにうつった父の肺は真っ白でした。
当時の肺がん治療はとても辛く、息をするのも苦痛だったそうです。
肺から水を抜くのも、痰をチューブで出すのも、それはそれは辛く、死にたいと母にもらしていたそうです。
遂に癌は体のあちこちに転移して、内蔵は腐りはじめていました。
授業中に先生に呼び出され、病院に向かうよう言われました。
私は覚悟ができていたのか、それが現実の事として受け入れられないでいたためか、妙に冷静でした。
病院につくと、直に父は目をあけたまま瞬きもせず涙を流しました。
そうして脈はなくなりました。
私はただただそれを見ているだけでした。
それから大人になり、祖父母の死を体験し、やっと人の死を目の当たりにした気がしました。
私にとって当時の父の死は受け入れられていなかったんだと実感しました。
先日、父が夢に現れました。私ははじめて父に抱きつき想いのたけをぶつけることができました。
はじめて父に自分の感情を伝える事ができました。
泣ける話と言われれば微妙ですが。- 0
09/05/15 19:39:22