水俣病語り部に中傷電話「そんなに金が欲しいか」

読売新聞 2014年06月13日12時01分
　熊本県水俣市立水俣病資料館「語り部の会」会長（５６）の自宅に、「そんなに金が欲しいのか」などと中傷する匿名電話が相次いでいることが分かった。

　会長は「被害者への侮辱行為。今なお水俣病が正しく理解されていないことを物語っている」と話している。

　会長によると、水俣病犠牲者慰霊式が営まれた５月１日夜、式典の様子を報じるテレビニュースで会長のコメントが流れた直後に電話があった。妻が出ると、男性の声で、「水俣病は５８年前に起きとっとやが、いつまで騒ぐとか」「自分の病気を人のせいにしとっと」と一方的にまくし立てて、切れた。着信履歴にあった番号にかけ直したところ、相手は出なかった。その後も、番号非通知の無言電話が続いているという。警察署に被害届は出していない。