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「ブラック企業の要素全部」不信、無念…ワタミ提訴で両親会見
「助けて下さい」というSOSを残した森美菜さんの過労自殺は、過酷な労働で若者を使いつぶす「ブラック企業問題」にも通じる事案として、若者を中心に反響を呼んだ。批判が集まるワタミ側に両親が「懲罰的慰謝料」を求めた背景には、原因調査や遺族対応をめぐる不信感がある。
「ワタミ側にはブラック企業の要素が全部あてはまっている気がする」。提訴後の記者会見で父の豪さんはそう語り、母の祐子さん(58)は「全く反省していないから、娘の死と向き合ってくれないのだろう」と無念をにじませた。
生前の森さんは、渡邉美樹氏の著書を課題図書としたリポートや、240ページ以上にのぼる「理念集」を暗記するために、休日をつぶした。リポートや暗記が必要とされた新卒研修は全員参加が義務付けられていたが、ワタミ側は当初「業務ではなく、自己啓発の時間だった」と説明していた。
また、渡邉氏は平成24年2月の労災認定を受け、短文投稿サイト「ツイッター」に「労務管理ができていないとの認識はない」という趣旨の書き込みをしたほか、参院選への出馬を表明した今年5月には、自身のホームページで「ワタミグループをブラック企業と呼ぶことは、到底受け入れられない」と主張した。
両親は渡邉氏らとの面会を再三求めてきたが、ワタミ側は無条件での面会を拒否した上で、損害賠償の金額を確定させるよう、逆に民事調停を申し立てた。今年11月に調停が決裂したことが、提訴の直接の要因となったという。
ワタミ側は一定の損害賠償に応じる意向を示しているが、両親の目的は金銭ではなく、真相究明だ。豪さんは「なぜ死んだのかをはっきりさせないかぎり、金銭の話には入れない」と強調した。
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13/12/10 08:35:02