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富山市の岩瀬浜海水浴場で15日、海水浴に来ていた小学4年生の男児(10)がおぼれる事故があった。
一時は意識を失う危険な状態だったが、海水浴客が連係して救命処置を施し蘇生、一命を取り留めた。
富山北署の発表によると、同日午前11時頃、岸から約50メートル離れた海の中で遊んでいた富山市の小4年男児が姿を消した。
叔父(39)が水深約2メートルの海底で発見し、引き上げた。
「助けて、救急車」。
叔父の叫びを聞き、富山市の男性会社員(44)は、横たわる男児に駆け寄った。
目は開いているが意識はない。
呼吸も確認できず、すぐに119番した。
「自分にも同じくらいの子どもがいる。人ごととは思えなかった」
水浴客の中に、歯科医師で富山大大学院生の男性(30)と、父の歯科医師(59)がいた。
親子で男児の首や手首に触れ、口元に顔を近づけると、脈とかすかな呼吸が確認できた。
「気道確保だ」。
大学院生は男児のあごを持ち上げ、別の男性(36)が人工呼吸を行うと、男児の口や鼻からゴボゴボと海水が吹き出した。
名前を呼びかけると、男児は口をパクパク動かして反応した。
「頑張れ」「生きて」と声が飛び交った。
約5分後、救急隊が到着。
酸素マスクをつけると、男児は肩で大きく息をした。
同署幹部は「短時間に適切な処置が施されたことで最悪の事態を免れた」と語る。
大学院生は本紙の取材に、「子どもは素早く適切な処置をしないと後遺症が残ることなどを大学で学んだ。医療従事者として自分にできることは何でもしなければと思った」と話した。
YOMIURI ONLINE(読売新聞)2013年8月16日10時55分
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