休日の部活動有料化

東京都杉並区立和田中学校で、スポーツコーチの派遣企業に休日、運動部の指導を 委託する取り組みが本格的に始まった。生徒一人あたり一日五百円を支払い、専門の コーチから指導を受ける。教師の負担が減り、生徒は高い技術指導を受けられる半 面、有料での部活動には議論も起きそうだ。 （宮畑譲）

文部科学省によると、公立中学校で企業に有料で委託するのは全国でも珍しい。

「部活イノベーション」と名付けた取り組みで、スポーツスクールなどを展開する スポーツデータバンク（中央区）、リーフラス（同）の二社と、部活ごとに年間契約 を締結。各部の保護者が話し合って委託を決めた。

形式的には部活動とは別の位置付けで、委託する日は安全管理も企業に任せるた め、顧問の教師は立ち会わなくてよい。一日の指導は約三時間で、けがなど事故時の 保険料も代金に含まれる。

サッカー部では三年前から、安全管理を学校が担う形で試験的に導入し、生徒の評 判は良いという。九つある運動部のうち、野球部やバスケットボール部など六つの運 動部で六月から順次、委託を広げている。文化部の保護者からも要請があり、来年度 からは吹奏楽部への導入も検討している。

和田中は四年前から、保護者や地域住民が学習塾と契約して夜間に有料で授業を受 けられる「夜スペシャル」を続けている。今回は、休日の運動部版のような側面もあ る。

学校の部活動は、教師らのボランティアに頼っているのが現状だ。