【北原みのり】韓流という女の遊び奪わないで へのコメント（No.51）

北原 みのり Facebookより
8月17日

某雑誌から竹島についてのコメントを求められた。 韓国に三日間いた。8月15日で、しかも大統領の竹島訪問やら慰 安婦への発言などがあった直後。ソウルはどんな空気なんだろ う、と正直、どきどきしていた。 8月15日は大雨だった。スコール、といっていいほどの大雨。 日本大使館の前に行こうと思ったけれど、全く外に出られないほ どの大雨で、カフェでずっと仕事してた。

夜、タクシーに乗って街に出た。ラジオから竹島のニュースが流 れてきた。なんとなく、本当になんとなく、私たちは、自然に話 はじめた。韓国語が堪能な友人と50代の運転手と私。運転手は 言った。 「ただの大統領のパフォーマンスだ。嫌悪の感情は広まりやす い。そんなものに、私たちが、惑わされることはない」

久しぶりに会った友人は、はぁ～、とため息をついていた。音楽 業界に勤める彼は、「もう～、喧嘩やめてくれないと～商売にな らない～！」と嘆いていた。そしてビックリしたように言った。 「でも、僕、驚いた。これまで僕たちの国が、日本を嫌ってい た。日本を憎んでた。でも、今は、憎まれているのを、感じてい る。こんなことは、初めてだよ」と。

久しぶりに会った別の友人は言った。ちょうど、建設中の大きな 美術館で事故が起きて4人が亡くなった。たまたまだけれど、彼 女の友人のお父さんが、その事故で亡くなった。「ニュースで読 んだけど、美術館の建設も大統領が任期中にやれって、凄く急が せてたみたい。いつまで、私たちは権力に振り回されるのか」

別の友人はしらけたように言った。「慰安婦とか、竹島とか、そ んなことをあの大統領が言うの、初めて聞いたよ」

私が出会った人、友人だけの範囲だけれど、韓国ではメディアも 含めて「大統領のパフォーマンス」という冷めた見方は広まって いる。人々の嫌悪を利用した政治的パフォーマンスに私たちは巻 き込まれてはいけない、という理性。

嫌悪の感情は広まりやすい。 だからこそ、用心深くいなくちゃいけないこと、いっぱいある。