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>>773つづき
■2.現場の足を引っ張る首相
大震災の翌朝、菅は自ら福島第一原発を視察した。
枝野官房長官が「このタイミングで官邸を外せば、袋だたきに遭います」と制止したのを、「バカ野郎。事態を食い止めるのと、批判されるリスクを考えるのとどっちが大事だ」とはねのけた。
菅の思惑は、現場への登場ぶりに現れていた。
ヘリが到着して、乗員が降りようとすると、「まず総理だけが降りますから、すぐには降りないで下さい」と待たされた。
写真撮影のためだった。
その後、菅は吉田昌男・福島第一原発所長に約25分間、事態の説明をさせた。
大震災発生後、不眠不休で原子炉に海水を注入するまでなんとか漕ぎつけていた吉田所長の貴重な時間を奪ったのである。
さらに、どこにヘリをとめ、どう首相を案内するのか、足りない防護マスクをどうするのか、など受け入れ準備で現場に無駄な時間を使わせた。
菅は原発視察ののちに、宮城県の被災地をヘリで視察し、結局、4時間半、官邸を留守にした。
震災対応の司令塔たるべき首相が、その責務を放り出していたこと自体が問題だ、という批判も噴きだした。
その後の海水注入にも菅は、再臨界などの恐れがあるから、よく検討せよという指示を出して、横やりを入れた。
吉田所長はそれを聞き入れるふりをして、部下には海水注入を続けよ、と命じていた。
1分1秒を争う事態に、菅は知ったかぶりをして、現場で戦う人々の足を引っ張っていたのである。
政府関係者は「首相が東電の技術者をことあるごとに官邸に呼びつけてどなるので、現場対応の邪魔になっている」と嘆いていた。
つづく- 0
16/03/16 09:03:18