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東電は3月31日付で、資材部長名の文書を業者らに配った。この文書によると、福島第一原発(福島県)、
福島第二原発(同)、東通原発(青森県、建設中)で、地震発生前に契約の手続きをした、原発敷地内の様々な
施設の工事や業務委託、原発の運営に使う様々な物品の購入が、契約解除や支払い保留の対象としている。
福島第一に関する契約では、工事が完了した際の検査や、物品を納入する際の確認にあたる「検収」が、
地震で困難になった工事や物品購入について、契約の解除に向けた協議をするとしている。
福島第二と東通では、工事や物品の納入を一時中止し、完成した工事の検査や、物品納入の際の検収、
代金の支払いを保留するという。
福島県内の業者は2月、代理店を通じて福島第一に資材を納入した。通常は3月末に東電から代理店に代金が
支払われるが、地震後の混乱で、3月は入金されなかった。このため4月末まで待ち、あらためて代理店に
支払いを求めると、資材部長名の文書を渡された。
代理店側は業者に対し、東電側から入金がなく、代金を払えないと説明したという。
この業者は「東電が確実に支払わないと、業者の連鎖倒産が起きかねない。東電はきちんと契約を履行すべきだ」
と憤った。
東京電力広報部によると、2月に物品が納入された場合、通常は3月上旬までに伝票の処理などを終え、3月末までに
支払う。「発電所が被災し、放射線で立ち入りも困難な状況で、支払いが滞っている取引はある」としている。
一方、福島第一の復旧作業に社員らを派遣している福島県内の建設業者は地震の後、復旧作業について、
あらためて東電側と契約した。
この業者側の関係者は「契約書は交わしたが、きちんと支払われるのか心配だ。入金がないと従業員の
給料も払えず、危険な作業も続けられない」と話す。
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