• No.2

    W53T

    10/03/12 10:24:57

     辞意を表した理由を有沢医師は公にしないが、小林宏晨村長(72)は「言われ無き中傷により、心に傷を負わせてしまったことが最大の原因」と語る。

     村幹部らによると、有沢医師は昨秋、診療所向かいの自宅に「急患にすぐに対応できるように」と自費で照明を設置。だが、直後に「税金の無駄使いをしている」と言い掛かりを付けた村民がいたという。

     また、昼食を食べに行く時間が無く、診療所内でパンを買った際、「患者を待たせといて買い物か」と冷たい言葉を 浴びせられたり、自宅に嫌がらせのビラがまかれたこともあったという。
     昨年、有沢医師の完全休診日はわずか18日。土日や祝日も村内を駆け回り、お盆期間も診療を続けた。
     しかし、盆明けの8月17日を休診にすると「平日なのに休むとは一体何を考えているんだ」と再び批判を受けたという。

    診療所の小嶋有逸事務長補佐(60)は「こんなに身を粉にして働く医師は過去に例が無い。無医村になったら 村民が困る。自分で自分の首を絞めていると憤る。


    村は有沢医師の負担を軽減するため、土曜日の完全休診制や村の特別養護老人ホームへの往診免除などを申し入れ交渉を続けているが、結果は芳しくない。

    小林村長は「一部の不心得者の為に、人格も腕も一流の医師を失うのは不本意。医師不足は深刻で無医村になる公算は限り無く大きい」とため息をつく。

    おわり


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