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- 21/06/19 07:10:54
ワクチン接種で脳出血が起きる?不妊症になりやすくなる?陰謀論も飛び交うワクチン接種と“副反応”情報のウソ・ホント
2021.05.21 18:53
メディアが日々報じているワクチンのニュース。しかしメーカーによる違いや特徴、さらに副反応のリスクについて、正しい理解が普及しているとは言い難く、SNS上には「人口削減を目的にした罠だ」「人類を管理しようとしている」など、荒唐無稽な“陰謀論”まで流布している。
そこで20日の『ABEMA Prime』では、Twitterアカウント「手を洗う救急医Taka」としても知られる、新型コロナワクチン公共情報タスクフォース(CoV-Navi)副代表幹事の木下喬弘医師に話を聞いた。
ーー正式承認されたモデルナ社製とアストラゼネカ社製、そして既に日本国内での接種に用いられているファイザー社製の違いは。
木下:ファイザーとモデルナのものは「メッセンジャーRNA(mRNA)」ワクチンと呼ばれ、アストラゼネカのものは「ウイルスベクター」ワクチンと呼ばれるタイプだ。
前者は発症予防効果が95%と非常に有効とのデータもあるし、安全性も高い。心配される副反応としてはアナフィラキシーがあるが、接種100万回あたり2~5回くらいという極めて稀な頻度なので、ワクチンの中でも“ゴールドメダル”と言っていい。後者については、副反応として血栓症が100万回あたり4~10回くらいとされていて、特に脳や脾臓、肝臓などに血栓ができて、それによって命を落とした方もいるということがわかっている。
ーーファイザーのワクチンを打った20代の方が、基礎疾患は偏頭痛だけだったにも関わらず接種後に亡くなったというケースが報じられている。
木下:国の副反応検討部会という審議会で詳細な経過を調べていて、脳出血があったということがわかっている。ただ、脳出血の周りにカルシウムが沈着して硬くなった石灰化という病変があることもわかっている。これは脳腫瘍などの周りにできることのある病変だが、1日、2日でできるものではないので、メカニズム的にはワクチンのせいではないということが言えると思う。
そもそも人はワクチンを打つ・打たないに関係なく突然命を落とすことがあるので、こうしたワクチン接種後に発生する“有害事象”については、自然発生の頻度と比べることが重要になる。そこでワクチン接種後の人に発生した頻度の方が高いとわかった事象を“副反応”と呼ぶ。アメリカでの比較によれば、現時点でファイザーとモデルナのワクチンを接種した後に何か特定の病気が増えているということはない。つまり脳出血も含めてワクチンが原因ではないと解釈するのが妥当だ。
ーー一方、アストラゼネカのワクチンについてはデンマークは使用を中止、フランスでは副反応の報道を受けて避ける人が増え、廃棄も出ているという。
木下:血栓については調査中で、特に30代くらいの女性に多いということがわかっているが、なぜその年代、かつ女性に多いのか、というところまではよくわかっていない。コロナが多くの若い人たちの命も奪っていることを考えれば、アストラゼネカのワクチンであっても打った方がいい。それでもmRNAタイプのワクチンが入ってきている国であれば、そちらを打ちたいとなることはあるだろう。
ーーー2月から5月2日までに日本国内ではワクチン接種後に死亡したケースが28あるが、“ワクチンが影響した”がゼロ、“ワクチンが影響したかどうか不明”が28だ。因果関係がわからないままなのか。
木下:国のシステムにも問題があると思うが、確かに現時点で、副反応検討部会は全てを“評価不能”としている。究極的には、ワクチンを打った後に亡くなった人について、“100%ワクチンのせいじゃない”と言い切ることは不可能だ。さきほどの脳出血の事例のように妥当性を検証していき、“99.99%ワクチンのせいではない”というところまでは言えても、誰の責任の元に“100%ない”と言えるのか、ということになる。
僕としては副反応検討部会が“ワクチンのせいじゃないと考えられる”と責任を持って言うべきだと思うが、やはり現場の医師としても絶対違うとは言い切れない。それでも、情報を聞いた人たちが“ワクチンのせいかもしれない”と解釈していることが現実に起きている以上、非常に重要な問題だ。
続き>>1 ◆「不妊症になるの?」「遺伝子が変化するらしい」といった情報も出回っている。
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