- ニュース全般
- 吉川元春
- 21/05/07 17:31:11
【要約】
経済学者「テレビワイドショーではでてこない世界のデータで見ると、コロナ対応で日本は世界の優等生である」
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日本は本当にコロナ封じ込め「失敗国」なのか?データから「客観的事実」をお伝えしよう
2021.05.03
■日本は病床数も多いはずなのに…
連日ワイドショーで、新型コロナの話題が尽きない。それだけみていると、テレビの放送では、世界の中で日本のポジションを見ることはないので、まるで日本は失敗例のように見える。そこで、本稿では、データに基づきながら、世界の中の日本を見てみよう。(略)
■ワクチン
日本のワクチン接種率は先進国で最低であり、その遅さで政府の責任、怠慢をせめるというのが、マスコミの一つのやり方だ。東京五輪どころでないという意見もある。しかし、これはミスリーディングだ。日本のワクチン接種率は世界の中でも低いが、それは日本の感染率が低いからだ。感染度合を加味して順位を出すと世界の中で平均的になる。ワクチンの供給は原則として感染の拡大が深刻な国・地域から行われている。データ入手可能な世界84ヶ国で日本は71位と下位であるが、感染度合を加味すると、日本は45位で平均的だ。
感染が少ないのに、人口の多い日本がワクチンを大量は集めたら世界から批判を受けてしまうだろう。国民としては、一刻も早くワクチンを確保してもらいたいが、カネにものを言わせず、ワクチン格差を加担しない、奥ゆかしい日本らしいスタンスではないか。
ワクチンの副反応を煽っておいて、厚労省が及び腰というのはまさに煽りの典型だ。
それを言うなら、マスコミがワクチン副反応を煽ったために、日本では集団接種ができなくなって、今回自治体にノウハウがなく困っているというべきだ。
第三に、緊急事態宣言は効果がないという。たしかに、行動制限という観点から日本の施策をみると、世界でもっとも強制力がないのはたしかだ。
各国の施策について、行動制限がどれだけ厳しいかを指数化したものが、オックスフォード大から公表されているが、それをみると、新型コロナへの危機感が高まり、各国とも最高レベルの規制をした1年前でも、日本の厳しさは世界最低レベルだった。
■経済
日本は世界の中でも、最も緩いレベルの規制を続けている、極めて珍しい国だ。これは、日本では、平時に憲法改正して緊急事態条項を盛り込むことすら議論できなかったので、有事の対応がまったくできないからだ。
通常の民主主義国でも、憲法で非常事態条項があり、一般人の行動も強制的に規制でき、その担保として一般人に対する罰則もある。しかし、日本では、「非常事態宣言」ができないので、私権制限を本格的にできず、一般人に対する強制措置でなく、特定者に対するものであるにとどまる新型コロナ特措法程度のことしかできない。
マスコミの言う「緊急事態宣言は効果がない」は正しいのだが、その一方で、一部のマスコミは私権制限を伴う憲法改正については反対の姿勢を貫く。これでは、手を縛っておきながら泳げというのに等しい、無理難題だ。
私権制限もできないながら、新型コロナの感染者数などは先進国の中で優秀だ。一方、経済もいい。先進国の中で、財政支援を横軸、経済落込みを縦軸にすると、財政支援が大きいほど経済落込みが少ないことがわかる。
日本は財政支援も先進国中でトップクラスであり、その結果、経済の落込みの少なさも先進国中でトップクラスである。
>>1に続く
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