- なんでも
- 文中
- 19/12/16 15:57:17
『皇室離脱を賭けた恋』
“結婚できないのなら皇室を離れる。紀子を連れていってイギリスで一緒に暮らす”
◇
礼宮さまと紀子さんのご婚約がスクープされたとき、宮内記者のほとんどが「まさかこんな早く」と思い、その思いとともにひとつの事を思い出さざるをえなかった。
そのひとつの事というのが、『皇籍離脱』問題。昭和天皇が崩御されたばかりの平成元年の春、突如としてこの問題が報道されたときは、あの礼宮さまのことだからそんなお考えもあろうぐらいにしか受け止められなかったが、いまにして思えば、それは紀子さんとのご結婚問題と表裏一体のものだったのだ。
皇室離脱問題とは、礼宮さまがそうした希望を持っている。いや、希望というより、そうしてもかまわないと考えていらっしゃるというもので、もちろん、単なる 噂にすぎなかった。しかし、この噂には真実味があった。いわく、“礼宮さまは兄の浩宮さまに比べて同じ兄弟なのになぜこんなに待遇に違いがあるのか、と不満を抱いている”。いわく“皇室という古い伝統と格式のなかにいては自由な活動ができない、と考えていらっしゃる”という話で、ハタから見れば実に的を得 ているのだ。
しかし、皇族という地位を捨てて民間人になることは、望むのはご自由でも、現実的に承認されることはあり得ない。
ならば、なぜこんな非現実的な話が、噂にせよ立ったのだろう?
「じつをいうと、あの話は噂という程度のものではなかったんです。礼宮さまが『普通の人に生まれたかった』と酔ってこぼされるのを、確かに聞いた人もいるんです」
とは、ある皇室ジャーナリスト。
この話で、もう思い当ると思うが、礼宮さまは宮中内部で、紀子さんとのご結婚に反対されていたようなのである。英国留学に発たれる前、すでにその胸中を両陛下に打ち明けていたといわれるから、両陛下もかなり悩まれたという。
紀子さんとの結婚。それを反対する宮中内部の理由とは、おおまかにいって2つあった。
ひとつは、「お妃になられる方は格式あるお家の方が望ましい」という考え方、つまり、家柄の問題で、それまでの皇太子妃選びのなかでも「旧皇族か旧華族がふさわしい」という声が圧倒的だった。とすれば、川嶋家はこれに該当しない。それどころか美智子皇后のご実家と比べても、川嶋家は財力などの点で確かに劣るのだ。川嶋家は学習院大学の官舎となっている家賃3万3000円の3LDK住まい。紀子さんは、ごく普通の“団地のお嬢さん”にすぎないのだ。
「美智子さまが皇室にお嫁入りになさったときのお道具は、6トン積みのトラックで3台分。今のお金にすれば3億円は下らなかったでしょう。お金持ちのご実家・正田家でも精いっぱいのお支度だったんですよ。3LDKの川嶋家が果してそこまでできるでしょうか」
という女官の声を、若き殿下が聞かなかったとはいいきれない。
>>1に続く
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