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【要約】
◆トランプ大統領が、金正恩に書簡を送り、米朝首脳会談の中止を通告した。
◆中止の理由は、北朝鮮の最新発言の「強烈な怒りとあからさまな敵対心」。
◆22日、トランプ米大統領は、会談実現には北朝鮮が一定の条件に応じる必要があると釘を刺していた。
◆それを受け、北朝鮮の崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は、以下のように発言。
「北朝鮮政府は米国に対話してほしいと『お願い』などしないし、会談に出席するよう説得もしない」
「米国が北朝鮮に対し核兵器の放棄を主張するなら、北朝鮮は会談への参加を再考する」
◆北朝鮮との交渉を巡っては、先にボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が2000年代初めの「リビア方式(※)」を参考にすると発言。
また、米国のペンス副大統領は、米フォックスニュースのインタビューでボルトン氏の発言について訊かれ、
「もし金正恩との交渉が成立しなければ、リビアが終わったような終わり方(最高指導者が殺される)になるだけだ」と話していた。
◆一方、トランプ大統領は5月17日に北朝鮮との合意について「(金委員長が)そこにい続けるものだ。(金委員長が)国にいて、自分で統治して、国がとても裕福になるというものだ」と発言し、「金委員長はとても力強い保護を得ることになるだろう」と発言して、北朝鮮の体制保証を与える方針を示している。
しかし、「もし合意がなければ『完全な破壊』が起きる」とも述べ、「リビア方式」で合意出来なければ武力行使もあり得ることを示唆した。
◆ボルトン大統領補佐官とペンス副大統領の発言に対し、崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は、朝鮮中央通信(KCNA)を通じて以下のように発言。
「許容できない、厚かましい発言」
「核保有国であるわが国を、わずかな設備しかなかったリビアと比較することだけをみても、彼がどれほど政治的に愚鈍か察するに余りある。これほど無知で愚かな発言が米副大統領の口から出たことに驚きを隠せない」
「米国が我々との会談に臨むのか、それとも核対核の対決で我々に立ち向かうかは、すべて米国の決断と行動次第だ」
◆トランプ大統領の書簡が発表される数時間前には、北朝鮮が国内唯一の核実験場で、坑道を爆破したと発表していた。ただし実験場は昨年9月の核実験で一部崩落し、すでに使えなくなっていたと言われている。
※リビア方式
2003年にアメリカ、イギリスとの9ヶ月に渡る交渉の末、合意に至ったリビアの核開発計画の放棄を指す。
・リビア方式の核放棄の手順
①すべての核廃棄を完全に実行
②すべての核廃棄の確認が出来たら、経済制裁を解いてあげる
! すべての核施設へのアメリカの介入が大前提
リビアの最高指導者だったカダフィ大佐は、2000年代初め、制裁解除と引き換えに核開発計画を放棄することに合意した。
アメリカは約半年後に国交を回復し、昨年にはテロ支援国家指定を解除した。
しかし、それから数年のうちに、カダフィ政権は崩壊し、反体制派によってカダフィ大佐は殺害された。- 1
18/05/25 06:55:01