日本に自由に出入りする「北朝鮮工作員」驚くべき実態

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  • 17/10/15 20:48:16

私が出会った北朝鮮工作員 第2回

竹内 明

2017.10.15

(前回の記事はこちらから http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53123

■工作員の「浸透」と「復帰」

北朝鮮の元工作員である金東植(キム・ドンシク)氏は、彼らがどのようにして対象国を出入りしているのかを、生々しく語ってくれた。工作員たちが対象国に潜入し、その社会に溶け込むことを「浸透」、母国・北朝鮮に帰国することを「復帰」と呼ぶ。ここではまず、金元工作員が語った、極秘出国当日の様子を描いてみよう。

……夜、11時。土を盛っただけの墓地の茂みの中に、金東植は潜んでいた。月明かりのない、新月の夜。坂を登って来る人影が見えた。足音はしない。男だ。二人いる。一人がついてこいと手を動かした。

金工作員は、老身の女工作員・李善実(イ・ソンシル)を背負って二人の後を追った。男は松の木の下を指差した。金工作員が近づくと、人数分の潜水服が置いてあった。

その場で潜水服に着替えた。

再び暗闇を歩き始めた。田んぼを抜け、李善実を背負って歩き続けた。ここで誰かに見られれば、全てが終わりだ。

海の匂いがする。道路を渡り、階段を降りると、目の前は海岸だった。波打ち際に黒い影があった。半潜水艇だ。海水に腰まで使って乗り込んだ。金工作員の任務は、その瞬間、完了した――。

「当時80歳近かった高齢の李善実を『復帰』させる作戦は難しい任務だった。お年寄りは早く歩けないし、発見されれば逃げることは不可能だ。『浸透』と『復帰』は同じ場所で行うのが原則なのだが、私が浸透した済州島は遠いから断念して、江華島から復帰することにした」(金元工作員)

[画像]

北朝鮮の権力序列で19位にまで上り詰めた伝説の工作員、李善実を無事、平壌に連れ戻すことは、北の工作機関にとって極めて重要な作戦だった。その任務を与えられたのが、1990年当時、20代だった金東植元工作員だった。

ことは慎重に運ばれた。実行の2ヵ月半前である8月には、「10月中旬復帰決行」と決められた。高齢の李善実に配慮して、浸透地点である済州島からの復帰を断念。ソウルから1時間ほどの江華島を復帰地点に選んだ。

[画像]

9月に半潜水艇の接岸地点を決め、金元工作員は現場に下見に行って、警備の状況、深夜の人や車の通行状況、接岸地点の岩場の状況などを確認し、本国に報告した。その上で迎えに来る作戦部の案内員との接線地点(接線とは、味方の工作員と接触すること)を墓地に決めたという。

NEXT >>1 日本人拉致にも使われた手口

  • 0 いいね

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    • 42
    • おでんは主食
    • 18/01/05 10:06:51

    キ、チガイ!チョン!!

    • 1
    • 18/01/04 19:06:38

    「ん?なんかちがうな」感が重要よね。

    逆にこの感覚がしっかりしていれば時代の流れはあるから自由にやれる。

    • 0
    • 40
    • 弁当の中身がおでん
    • 18/01/04 19:01:26

    安倍ちゃんは国防費上げたいのに邪魔する輩がいるからねー。

    • 4
    • 39
    • ロールキャベツ
    • 18/01/04 18:44:58

    あげ

    • 0
    • 38
    • だし巻き玉子
    • 18/01/01 12:17:54

    去年なんて90以上の漂流船見つかってるんだよね。見つかってないのも入れたらすごい数だろうし。

    • 5
    • 37
    • 北海道おでん
    • 18/01/01 10:45:45

    やっぱ漂着船ってそうなのかな

    • 0
    • 36
    • 静岡おでん
    • 17/12/09 12:25:37

    工作員、ただいま続々上陸中!

    • 6
    • 35
    • てんとう虫(ミニ)
    • 17/11/29 05:41:21

    >>34
    工作員を送り込んで来てるとか…

    舟だけ流れ着いて誰も乗っていなかった→乗っていた人は日本国内に潜伏した?

    秋田県で北朝鮮人が8人保護された→本当は他にも何人かいて、日本に潜伏させた後に帰る人だけが保護されたのかも

    みたいな事をつい考えちゃうんだよね
    朝鮮半島有事の前に何か工作市に来てるんじゃないかとかさ

    • 2
    • 17/11/29 03:52:13

    >>29


    船で逃げてきたのかと思った。
    亡命。


    ちがうの?

    • 0
    • 33
    • お月見団子
    • 17/11/29 00:46:16

    最近木造船が漂着し過ぎなのと関連してるの?

    • 4
    • 17/11/28 21:55:30

    日本海側 警戒

    • 3
    • 17/11/28 21:09:15

    安倍さん何してるの?
    日本を守るんじゃないの?

    • 14
    • 17/11/28 21:07:11

    >>29こんなに来てるなんて恐ろしい

    • 1
    • 17/11/28 18:50:50

    【今年11月に入ってからの北朝鮮の木造船のニュースまとめ】

    2017年11月27日
    能登半島先端の石川県珠洲市の小泊港の沖合で木造船1隻が漂流しているのを発見。
    木造船は全長およそ12メートルで幅は2.65メートル。
    七尾海上保安部などが、同市の蛸島漁港にえい航された木造船を調べたが、船員は見つからなかった。
    船内からは、網などの漁具のほかに、ハングルが書かれたたばこの箱が見つかった。

    2017年11月26日
    北海道南部の松前町の海岸に木造船の一部が漂着しているのが見つかる。
    長さおよそ4メートル、幅およそ2メートルの木造船の先端部分一部に赤い字で数字のようなもの。
    今月、日本海側で北朝鮮からとみられる木造船の漂着が相次いでいることから、 警察は漂着した船の周囲に不審な人物がいないか捜索を行ったが今のところ不審者は見つかっていない。

    2017年11月26日
    秋田県男鹿市の宮沢海水浴場に小型の木造船が打ち上げられる。
    県警と秋田海上保安部が27日船内を捜索したところ、国籍不明の複数の遺体が見つかった。
    遺体は少なくとも4人とみられ、7人との情報もある。
    北朝鮮の船の可能性もあり、県警などが慎重に調べている。

    2017年11月26日
    秋田県男鹿市の海岸に木造船が漂着していると近くの住民から通報。
    全長がおよそ20メートルの木造船で、船体には数字が書かれていた。
    24日午前に沖合約30メートルで傾いた状態で浮いていて、26日になって海岸に流れ着いた。
    目撃した人「ライフジャケットは波打ち際に2つ。ぼろぼろのが寄ってきた」。

    2017年11月26日
    26日、秋田県男鹿市の海水浴場に木造船が漂着、27日、警察と海上保安部が捜索し、船内から一部が白骨化した8人の遺体が発見。
    船は24日海水浴場の沖合に浮かんでいるのが確認26日に漂着したが波が高く捜索できなかった。
    日本海側では、秋田県や新潟県などで北朝鮮からとみられる木造船の漂着が相次いでた。

    2017年11月25日
    新潟県佐渡市北片辺の藻浦崎公園近くの海岸で、木造船と思われる多数の木片が漂着。
    近くで男性1人の遺体も見つかった。遺体は一部白骨化しており、同署は死後数カ月が経過。
    木片の特徴から北朝鮮籍の木造船だった可能性が高いという。

    2017年11月23日
    新潟県佐渡市の片辺漁港近くの岩場で無人の木造船が漂着しているのが見つかる。
    激しく損壊した船体の一部に「漁港」を意味するハングルが確認された。
    船は長さ約10メートル、幅約2メートルと推定。
    多量の藻類が付着していることなどから長期間漂流していたとみている。
    漁網やイカ釣り針、防寒着も周辺で見つかった。

    2017年11月23日
    秋田県由利本荘市石脇の船舶係留施設「本荘マリーナ」に不審者がいるという内容の通報。
    由利本荘署員が現場に駆けつけ施設内で国籍不明の男性8人を発見。
    8人とも自力歩行できる健康状態で、朝鮮語らしい言語を話しているという。

    2017年11月23日(上記に関連)
    秋田県由利本荘市の係留施設の海岸に男性8人が乗ったイカ漁用の集魚ランプが付いた木造船が漂着。
    「北朝鮮から来た。北朝鮮に戻りたい」などと話しており、県警由利本荘署で保護。
    全長20メートルほどの木造船が流れ着いているのを発見。
    船は24日の日没までは流れ着いた海岸にありましたが、25日に行方不明になる。

    2017年11月21日
    青森海上保安部は深浦町大間越宮崎浜の海岸に漂着した木造船を確認したと発表。
    船は無人でスクリューとエンジンが付いていたほか、付近の海岸に救命胴衣6着が漂着。
    船舶事故の情報がないことから、朝鮮半島から流れ着いた可能性が高いとみて調べている。
    青森海保によると、大間越漁協組合員が20日にJR五能線「大間越駅」の北600メートル付近で船を発見した。
    船体は長さ約12・6メートル、幅約3・7メートル、深さ約2・15メートル。
    船首部両側に赤色で数字が表記され、救命胴衣にも同じ数字の記載があった。

    • 0
    • 17/11/26 08:15:50

    チョン気持ち悪い

    • 4
    • 27
    • ハロウィン
    • 17/11/25 08:00:56

    >>26
    そうなの?
    だから「在日も被害者だ」とか変に同情的な論調なのね
    まあそんな事書かれても全然同情的な気持ちになれないけど

    • 4
    • 26
    • さつまいも
    • 17/11/04 15:50:22

    在日の多い講談社のゲンダイの記事っていうのはちょっと引っかかる

    • 0
    • 17/11/04 15:39:41

    少し前に、在日コリアンが実在の日本人女性になりすまして生活保護を受けてたっていう事件あったよね
    ママスタでもトピ立ってた

    • 8
    • 24
    • 月見バーガー
    • 17/10/19 20:47:58

    >>2
    >在日朝鮮人が、北朝鮮工作員による脅迫の被害者となっているケースがあることも、忘れてはならないだろう。

    へーそうですか。まったく同情する気に慣れないや

    • 6
    • 17/10/17 14:49:43

    今日(10月17日)の虎ノ門で外国人関連の話が幅広く出てましたね。聞いてて気持ちが暗くなりましたが、問題を解決する為にはまず現実を直視する事。そして、一人でも多くの人が問題提起の声をあげる事です。

    • 1
    • 17/10/17 12:05:04

    >>21
    警視庁や皇族らにもね。

    • 0
    • 17/10/17 07:26:19

    もう乗っ取られてるよね。
    芸能界は元より、財政界 スポーツ業界 娯楽施設 役所 金融業界 食品企業(ロッテやらなんやらかんやら) 病院(特に精神科)

    自分の職場にも上にいる輩は顔見れば日本人でないのは一目瞭然だし考え方も違う。
    創価系企業もわんさかあるし、そこに旦那さんが知らずに勤めてる可能性もある。

    何十年もかけて日本を侵食してきたんだよ。

    • 8
    • 17/10/17 06:56:09

    >>19
    まー、だからこそ、TVではこんな恐ろしい重大な犯罪が横行している事をまったく報道しないんだろうね

    • 4
    • 17/10/17 06:47:15

    >>9
    マスコミなんかも相当数いるんだろうね

    • 5
    • 17/10/16 16:19:26

    知ってた

    • 1
    • 17
    • モンブラン食べたい
    • 17/10/15 23:28:33

    >>16
    土台人なんじゃないかって意味でしょ
    工作員じゃなくて

    • 3
    • 16
    • じゃがいも
    • 17/10/15 23:14:55

    >>8
    でもその人自分から日本に来たってちゃんと公表してるよね?
    工作員は絶対そんなこと言わないと思う。
    自主的に来日したって事実は向こうにとって不利になるから。
    まぁパチンコマネーは送金してたかもしれないけど。

    • 2
    • 15
    • 衣替え(冬服)
    • 17/10/15 21:45:51

    おそろしい。

    そうなると個の強さも重要か。

    いざとなったら、あ私もうだめだかわいくないから沈められるかなせめて最後はかわいく少女漫画風に拉致られようなどと考えずに、

    遠のく意識のなか叫ぶなり漏らすなりするんだぞ!

    • 1
    • 14
    • スポーツの秋
    • 17/10/15 21:37:30

    こういう工作員が「背乗り」をして日本で政治家になったりしてるのかな?
    すっごく不自然に北朝鮮をかばう政党とかあるよね~

    • 13
    • 17/10/15 21:34:34

    出入りは自由で仕事もあって土地も買える…そりゃあ、さぞ仕事もやりやすいでしょうねえ
    こういうの防ごうと思ったら、警備体制はもちろんだけど、法律も変えて行かないとダメだと思う

    • 13
    • 12
    • 紅葉ドライブ
    • 17/10/15 21:30:21

    これは知ってる人も多いと思う
    でも、そいつらをどうにかできないのが問題なんだと思う

    • 14
    • 17/10/15 21:26:37

    スパイにとって日本ってゆるっゆるなんだね
    あと、身内を人質に取られて協力する危険性があるなら、ホント在日はさっさと帰さないとダメだね

    • 19
    • 17/10/15 21:21:37

    日本もスパイ防止法が必要だよね。

    • 14
    • 9
    • かぼちゃプリン
    • 17/10/15 21:20:40

    野党にこういう人いっぱいいそうw

    • 13
    • 17/10/15 21:18:45

    >工作員たちに狙われるのは、パチンコ業や金融業など、日本で事業に成功した裕福な在日朝鮮人である場合が多い。

    こういう人とか?
    まあ、この人は脅迫なんかされなくても進んで協力してくれそうなイメージだけど

    • 2
    • 7
    • てんとう虫大量発生
    • 17/10/15 21:04:06

    知ってた。
    こういう記事が多くの人に読まれて、危機感を持つ人が増えたらいいと思う。

    • 9
    • 6
    • さつまいも
    • 17/10/15 21:00:46

    >>4
    読めない・理解できないなら別に無理して読まなくていいんじゃない?

    • 6
    • 5
    • 赤とんぼ
    • 17/10/15 20:52:49

    長い、、、長すぎる

    • 2
    • 17/10/15 20:51:43

    長いから簡単にまとめて

    • 2
    • 3
    • こたつ出すタイミングに迷う
    • 17/10/15 20:50:07

    ■身分を奪う「背乗り」の恐怖

    こうして「定着先」を確保した工作員たちは、次に自らの身分を「合法化」する。その代表的な手法が「背乗り」(はいのり)だ。端的に言えば、日本人や在日朝鮮人の身分を、乗っ取るのである。

    背乗りは、もともと旧ソ連の諜報機関KGB(現在のSVRの前身)が得意としていた手法だ。対象国の国籍を持つ人間に成り代わって、社会生活を営みながら、諜報活動を展開するという手口である。

    北朝鮮の工作機関は、歴史的な経緯から、KGBをモデルとし、そのスパイ技術を学んできた。旧ソ連の工作員たちが、アメリカやヨーロッパに浸透する際、同じ白人であるから見分けがつかないということを利用したのと同様、北の工作員たちは日本人とは一見して見分けがつかないことを武器に、日本人に成りすますのだ。

    では、工作員に身分を奪われ、成り代わられてしまった人はどうなるのか。一つには、拉致されて北朝鮮に連れていかれているケースがあると考えられている。だが一方では、殺害され、闇に葬られてしまうこともまた、多々あると言われている。

    標的にされるのは、親類縁者がなく、天涯孤独な身の上の人であることが多い。次回は、こうした背乗りの実例と、日本や韓国など自由な社会に浸透した北朝鮮工作員たちが抱える心の葛藤について取り上げたい。

    現代ビジネス
    http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53199

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    • こたつ出すタイミングに迷う
    • 17/10/15 20:49:41

    ■利用される「土台人」たち

    さらに、金元工作員は日本が北朝鮮工作員たちにとって活動しやすい場所である理由を、こう指摘した。

    「日本は工作活動の環境が整っている。警戒が甘いだけではなく、朝鮮総連や民団の中に工作補助をさせられる人間もいるし、日本人になりすましている我々の工作員もいる。外見が似ているので怪しまれることもない」(金元工作員)

    日本に浸透した工作員にとって一番必要なのは、一時的な定着先(隠れ家)と活動資金である。これを在日朝鮮人から提供を受けるというのである。独り暮らしは怪しまれやすいため、できれば住宅の一室などを間借りするのが望ましいとも金元工作員は話した。


    だが、在日朝鮮人の人々が、誰もみなもろ手を挙げて工作員を歓迎するわけがない。平穏な暮らしを送っているのに、見ず知らずの工作員に協力などしたくないという人のほうが普通だろう。

    それを見越して、工作員は周到に準備を重ねる。ターゲットになるのは、北朝鮮に親族がいる「土台人」と呼ばれる在日朝鮮人たちだ。工作員は彼らの自宅を訪問する。そして、こんなことを言うのだ。

    「平壌にいるお兄さんの家族にお会いして来ました。よろしくとおっしゃっていました。私に協力していただければ、お兄さんの一家は末長くお幸せです」

    工作員は1枚の写真を見せる。写真には兄の一家が写っており、その中心に、目の前にいる工作員が一緒に写っているではないか。見せられた本人は青ざめるだろう。

    これは土台人に対する、典型的な脅迫だ。工作員は「協力しなければ、兄一家は不幸になる」と暗に脅すわけだ。

    ■協力者を得るための非情な「録音」

    私が入手した公安警察の記録には、他にも土台人に対する、様々な脅迫のパターンが記されている。その一つが、北へ帰った母親の「声」を携えて工作員がやってくるケースだ。

    記録によれば、こうだ。公安警察が、ある在日朝鮮人男性の自宅を捜索した際、1本のテープを押収した。そこには、老女の声が録音されていた。

    <……お前に会えなくて悲しいんだよ。1日も早く会いたい。私はお前の顔さえ見れば死んでも、心残りはないよ。録音を持った先生が来られたら、もてなしをよくしなさいよ。先生を接待してくれたら私がどんなに良くなるか……>

    北朝鮮にいる母親の声だった。このテープを聞かされて、男は「補助工作員」になることを誓約させられ、工作員に住居を提供することになったのだ。

    工作員たちに狙われるのは、パチンコ業や金融業など、日本で事業に成功した裕福な在日朝鮮人である場合が多い。衣食住の面倒を全て見させた上、中には、自宅を改築させて、道路から見えない2階の1室を提供させたり、敷地内に大型犬を2匹放し飼いにさせていたりしたケースもある。

    在日朝鮮人が、北朝鮮工作員による脅迫の被害者となっているケースがあることも、忘れてはならないだろう。


    NEXT >>3 身分を奪って殺害まで…

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    • 17/10/15 20:49:14

    ■選ばれるのは「新月の夜」

    [画像]

    この作戦では工作母船は使わなかった。半潜水艇が北朝鮮西岸、黄海南道・海州(ヘジュ)を出発、通常の2倍近い、7時間もの時間をかけてやって来た。

    半潜水艇は通常、40ノットのスピードまで出せるのだが、速度をあげれば、白波が立つ。それを避けるために、ゆっくりとやって来たのだ。

    「浸透、復帰に一番、適しているのは、月の出ていない新月の夜です。闇夜ならば発見されにくいですからね。

    迎えに来る案内員は、当時は労働党作戦部の浸透復帰の専門の工作員たちでした。このように工作機関の中でも役割分担がはっきりしていました」(金元工作員)

    復帰のときには大事なポイントがある、と金工作員は言った。

    「意外に思われるかもしれないが、『お土産』です。江華島の接線地点に行く前、私たちは大型スーパーによって、ウイスキーやブランデー、タバコを買いました。案内員たちに渡すためです。

    やはり、お土産をもらえば、仕事に手を抜かない。機嫌よく仕事をしてもらうためには必要なことです」(金元工作員)

    金元工作員はこうして、伝説の工作員・李善実を無事、帯同復帰(仲間とともに帰国させること)させ、国旗勲章一号と共和国英雄称号をもらったという。

    ■日本人拉致にも使われた手口

    準備を重ね、新月の夜を選んで、海岸の復帰地点から北朝鮮へ――。こうした手法は、日本人拉致にも使われていたと、金元工作員は明かした。

    「日本人を拉致していくのにも、工作員の復帰と同じ手法が使われていました。街中で拉致するのではなく、大抵は海岸線にいる人を拘束して、半潜水艇に乗せていました。そのまま北朝鮮に連れていくこともあったし、沖合で大型の工作母船に乗せかえて連れていくこともありました。

    韓国は軍や警察の警戒が強かったのですが、日本は海上保安庁や警察の警戒も甘いですから、はるかに簡単でした。特に70年代や80年代は甘かった。無防備といってもいい。だから拉致が行われたのです。韓国と比べれば、日本は工作員にとって天国です」(金元工作員)

    日本が北朝鮮工作員たちにとって、気軽に潜入できる場所だと考えられていたことは別の場所でも耳にしたことがある。私が取材した、北朝鮮工作員と接触した経験のある在日朝鮮人男性も「北の工作員は、『日本にタバコを買いに来た』と軽口を叩いていた」と証言していた。

    金元工作員は、対南工作(韓国国内での扇動工作)を専門としたので、日本人拉致には直接、関わってはいない。だが、拉致を実行した工作組織の先輩や同僚たちから、彼らの手法についての話を聞いていたという。

    「不意に襲い掛かられて、世の中に抵抗しない人はいないでしょう。だから、強力な麻酔剤を持参して、布にふくませて鼻に押し当て、意識を失わせた後、袋に入れて運んでいたのです」(金元工作員)


    NEXT >>2 在日朝鮮人への冷酷な脅迫

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