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- 17/02/11 09:31:44
重度の知的障害を持つ松沢和真さん=当時(15)=が平成27年、東京都八王子市の福祉施設から抜け出し、約2カ月後に山林で遺体となって発見された事故で、両親が福祉施設に約8800万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こすことが10日、関係者への取材で分かった。14日に提訴する。請求には松沢さんに将来見込まれたとされる収入額が含まれ、重度知的障害者の逸失利益算定が争点になる見通し。
福祉施設を運営する「藤倉学園」や両親の代理人弁護士らによると、松沢さんは未施錠の扉から1人で外出。藤倉学園は過失を認め、慰謝料2千万円を提示したが、逸失利益はゼロと算定していた。両親は「まだ15歳で将来収入を得る可能性があった。逸失利益ゼロは納得できない」とし、平均賃金から算定した約5千万円を逸失利益とした。
一方、藤倉学園側は「事故は施設の不備が原因で悔やんでいる。逸失利益をゼロとしたのは算定が困難だったためで、差別的な意図は全くなかった。裁判所の判断を仰ぎたい」とした。
重い障害を持つ子供の逸失利益をめぐっては、青森地裁が21年、最低賃金を基準に約600万円とする判決を言い渡したほか、名古屋地裁で24年、約770万円を支払う内容で和解が成立した例がある一方、認められなかった例もある。
2017.2.10 21:06 産経ニュース
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