- 旦那・家族
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姉さんのぶつぶつと呟く声が耳に届く。
言っている内容はめちゃくちゃなのだが、今の姉さんに見つかることは非常に危険だということは分かった。
無惨なワカメの姿を見ても、可哀相だとか酷いだとかの感情が浮かぶのではなく、ただ恐怖だけが僕を捕らえている。
サザエ「きっとワカメがタラちゃんをこんな目に合わせたのよ、体を奪って綿と詰め換えていたのよ」
だからワカメから取り返したのだろう。
ワカメの体から肉を削り取り、縫いぐるみに詰めていたようだ。
縫いぐるみから滴る血も全部ワカメのものだったのだ。
サザエ「でもワカメからばっかりじゃ可哀相よね、カツオだって悪いんだもの」
僕の名前があの声で呼ばれたとき、思わず体が強張った。
どこかで音を立ててしまっていないか、速まった心拍と同じリズムで手の傷がドクドクと脈打った。- 0
13/06/10 16:23:10