• No.5 ハマグリ全然見つからない

    26/07/02 16:21:28

    ■国内回帰を決断したホタテ加工会社

     冒頭で紹介したきゅういちは、この転換を象徴する存在だ。大阪に本社を置くクックビズがきゅういちを買収したのは2022年。同紙によると、中国向け製品は当時、売り上げ全体の4分の1を占めていた。ところが買収からわずか1年後、禁輸により出荷は一夜にして止まる。

     きゅういちはその後、中国に外注していたホタテの加工工程の一部を国内に引き戻した。北海道の他の業者も、まったく同じ方向に舵を切った。政府補助金を活用して自動殻むき機を導入し、それまで中国の安い人件費に頼っていた手作業を機械に置き換えつつある。

     中国の禁輸措置は結果として、日本のホタテの品質と利益率を向上させた。

     マクロの数字を見ても、企業レベルの構造改革は如実に成果を上げているようだ。

     農林水産省「令和7年(2025年)農林水産物・食品の輸出額」によると、2025年の日本の農林水産物・食品輸出額は前年比12.8%増の1兆7005億円。13年連続の増加で、過去最高を更新した。米外交専門誌のディプロマットによると、輸出先の首位はアメリカで、2762億円(前年比13.7%増)に上る。

     対中国でも食品関連輸出は7.0%増の1799億円と、3年ぶりにプラスへ転じた。ただし、伸びたのは主に、禁輸の網にかからない観賞用の錦鯉やビール、丸太だ。肝心の水産物は、なかなか戻っていない。

    続く

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