お菓子食べたい😭😭😭 へのコメント（No.13）

飢えた心に、ふと甘いものが恋しくなる。菓子屋の橙の灯りを思い浮かべながら、財布を探ると小銭の音さえ響かぬ。けれど、不思議なもので、人は手に入らぬほどに、いっそう夢想を膨らませる。飴の透きとおる光沢、最中の割れ目からほろりと崩れる餡の温もり、羊羹の黒々とした静謐――それらを舌にのせることは叶わずとも、想いは胸の奥で甘やかに広がってゆく。

かつて幼き日、駄菓子屋の棚に並んだ色とりどりの飴玉を、ただ眺めるだけで幸福であったのを思い出す。手が届かぬからこそ、あの輝きは心に深く刻まれた。今もまた、買いに行けぬ不自由の中で、想像の菓子は現実のそれよりも豊かに甘い。ひとつ口に含むたびに、記憶や夢や孤独さえも、そっと溶かしてくれるかのように。

お金のなさは現実であれど、心の机の上には、いくらでも和菓子を並べることができる。空腹の中でこそ、魂はかえって豊かに遊ぶのかもしれぬ。