苦しみを食む神々 へのコメント（No.1）

### 第三章　異端のネガフィード
ルキア──群れを離れた異端のネガフィードが透に語る。
「家畜であることは真実だ。しかし、同時にお前たちの『問い』が、宇宙を進化させている。苦しみを意味づけ、超える力を持つ種族は稀だ。我らもまた、上位の存在に収穫される家畜であり、鎖の中にある。だが、お前たちの問いは鎖を断ち切る鍵となる」
ここで透は仏典の言葉を思い出す。「すべては苦である。しかし、その苦を観じ、超える道がある」と。
### 第四章　階層宇宙
ルキアは告げる。宇宙は階層的牧場であり、どの存在もまた上位に食われ、下位を食む連鎖の中にある。ネガフィードすら「より高次の存在」に感情を吸われていた。バガヴァッド・ギーターが語るように、宇宙は戦場であり、役割を果たす者はその中で苦しみを意味づける。
透は悟る。人間は家畜であると同時に、「意味を創造する主体」として宇宙の進化に参与しているのだ。
### 終章　選択
透の前に二つの道が開かれる。ネガフィードを滅ぼし、苦しみなき無感情の存在になるか。あるいは共生を選び、苦しみと共に生き、そこに意味を見出すか。
透は自らに問う。「自由とは何か。解放か、それとも苦しみを抱きしめることか」
その問いは、バガヴァッド・ギーターの戦場に響く神の声と重なった──
「立ち上がれ。戦え。意味を与えるのはお前だ」
──人間は家畜か、それとも宇宙を変容させる主体か。その問いは、無限の階層宇宙の彼方へと響き続けていた。