>>7そうすると、平成17年に「総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践指針について」(17消安第6260号)が発せられて以来IPMに関連した研究、普及、啓発が農林水産省、各地方公共団体等により為されてきた右事実を踏まえれば、2018年(「Contamination by neonicotinoid insecticides and their metabolites in Sri Lankan black tea leaves and Japanese green tea leaves」掲載当時)にはIPMもそれに付随した生物的防除(例えば土着天敵の活用)も既に農業従事者(特に茶栽培)の間で共通認識となっていたものと見て間違いなかろう。
無論、今日に至ってはなおのことである。
このようにしてみると、IGR等の天敵への影響が少ない農薬使用という選択肢を捨てて態々土着天敵への影響が大きいネオニコチノイドを好んで使用してIPMの一である「生物的防除」を自ら潰す茶農家が果たしてどれ程存在するかという疑問が浮上する。
(続く)
No.7 主 山城守
25/04/24 20:02:28
更に、2009年には静岡県農林技術研究所茶業研究センターの小澤朗人氏が「茶園におけるクワシロカイガラムシの土着天敵類の発生実態」(https://www.jppn.ne.jp/jpp/s_mokuji/20090307.pdf)を執筆し、茶の重要害虫の一であるクワシロカイガラムシの防除について、本種の防除では,他の病害虫の 2.5 ~ 5 倍量にも及ぶ 1,000 l/10 a の殺虫剤散布が必要であると述べ、「こうした多量の殺虫剤の散布は,コストや労力の増大ばかりでなく,様々な土着天敵類に大きな影響を及ぼすと考えられ,本種に対する薬剤散布の削減がチャにおける IPM 体系構築には必要不可欠である。したがって,薬剤散布に代わる手段として,クワシロカイガラムシの土着天敵の保護利用はチャの IPM を成功させるための必須技術であり,そのためには土着天敵に関する基礎的な知見を蓄積する必要がある。」と同論文「はじめに」で論述している。このように、IPMは平成17年には既に農林水産省により提唱された概念であり、前記の如く農林水産省も普及、啓発に努めてきた処であり、また、全国の荒茶生産量の40%を占める静岡県(https://www.maff.go.jp/j/tokei/kekka_gaiyou/sakumotu/sakkyou_kome/kougei/r5/cha/ind ex.html)でもIPM(総合的病害虫・雑草管理)に関連して熱心に研究が為され、また、これについて普及啓発が為されてきた処である。(続く)
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No.8 主 山城守
25/04/24 20:04:05
>>7そうすると、平成17年に「総合的病害虫・雑草管理(IPM)実践指針について」(17消安第6260号)が発せられて以来IPMに関連した研究、普及、啓発が農林水産省、各地方公共団体等により為されてきた右事実を踏まえれば、2018年(「Contamination by neonicotinoid insecticides and their metabolites in Sri Lankan black tea leaves and Japanese green tea leaves」掲載当時)にはIPMもそれに付随した生物的防除(例えば土着天敵の活用)も既に農業従事者(特に茶栽培)の間で共通認識となっていたものと見て間違いなかろう。
無論、今日に至ってはなおのことである。
このようにしてみると、IGR等の天敵への影響が少ない農薬使用という選択肢を捨てて態々土着天敵への影響が大きいネオニコチノイドを好んで使用してIPMの一である「生物的防除」を自ら潰す茶農家が果たしてどれ程存在するかという疑問が浮上する。
(続く)