自分を高めるために生きろ
牙のない雌ゾウが増加、密猟に対応する進化 モザンビーク
2021.10.23 Sat 12:55 JST
(CNN) アフリカ・モザンビークのゴロンゴーザ国立公園で、牙のない状態で生まれてくる雌のゾウが増えている。科学者はこれについて、15年に及ぶ内戦で象牙目当ての密猟がまん延したことへの進化上の反応との見方を示す。牙がないことへの遺伝子ベースでの理解が進み、そうした要因が雌だけに影響を及ぼすように見える理由の解明も進んできている。
公園内で活動するゾウの専門家がこの現象に気づき始めたのは、1992年の内戦終了後だ。現場のデータや古い映像の解析の結果、牙のない雌ゾウの割合が1972年から2000年にかけて3倍以上に増えたことが判明。アイダホ大学のライアン・ロング准教授によると、この間、ゾウの個体数は約2000頭から約250頭に急減した。
ロング氏はメールで「内戦中、ゴロンゴーザは実質的に紛争の中心地となっていた」と説明。その結果、一帯には多数の兵士が展開し、武器弾薬の購入のためにゾウを殺して象牙を売る動機が多く生まれたと指摘した。結果として密猟が非常に激しくなったという。
21日付の米科学誌サイエンスに発表された論文によると、研究者は現在、牙のない状態になる遺伝的な要因や、雌のゾウのみに影響が出る理由について以前より深い理解に達している。
今回の分析では、牙のない雌のゾウは牙のある雌に比べ、上記の28年間での生存確率が5倍あまり高かったことが判明。従って、こうした適応は偶然の出来事ではない可能性が高い。
密猟のない環境でも牙のない雌のゾウは自然に生まれるが、通常、それは少数のゾウにとどまる。1970年代のゴロンゴーザでは牙のない雌ゾウは18.5%だったが、30年後には51%に増えた。
続く
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No.1 主 自分を高めるために生きろ
25/03/28 19:47:59
論文の著者であるロング氏は「進化とは単純に、ある集団内で継続する世代にわたって起きる遺伝形質の変化のことだ。我々の研究結果で言うと、ゴロンゴーザの雌のゾウの間で牙がなくなる変化はこの定義に完璧に当てはまる」と語る。
「変化がこれほど急速に進んだのは非常に珍しいことであり、淘汰(とうた)の強力さが直接機能したものといえる」「言い換えれば、進化がこれほど早く進んだのは、牙のない雌の方が内戦を生き延びる確率が『はるか』に高く、次世代に遺伝子を残せる可能性が『はるか』に高かったためだ」(ロング氏)
だが、雄のゾウについてはどうか。研究チームは雌のゾウ18頭の血液サンプルを採取し、ゲノム解析を実施。その結果、牙のない雌はX染色体の特定の領域に遺伝子変異が起きていることが分かった。
「雌はX染色体を2本持つ。牙のない雌ではそのうち1本の染色体が『正常』で、もう1本では情報が削除されている」とロング氏は説明。「牙のない雌ゾウが雄の子どもを妊娠すると、その雄は半々の確率で問題のあるX染色体を母親から受け継ぐ。『正常』な染色体を受け継いだ場合、その雄は無事に生き延びて、牙の形成に必要な遺伝情報とともに生まれてくる」と解説する。
しかし、雄のゾウの胎児が遺伝子変異を持つ染色体を受け継いでいる場合、牙のない雌を生み出す変異は雄にとっては致命的となるため、その雄は子宮の中で死ぬ結果になるという。
ただ、牙のない雌が生まれる一方で、雄は22カ月の妊娠期間中に死ぬことにつながる正確な遺伝上、発生上のメカニズムについてはまだ分かっていない。
[写真]牙のない雌のゾウに麻酔をかけ、遺伝子サンプルを採取する様子(2018年)/Rob Pringle
https://www.cnn.co.jp/fringe/35178467.html
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