障害物競走
北海道旭川市の老人ホームで暮らす菱谷良一さん。102歳です。
毎年この時期に東京に行くことが、人生の目標のひとつとなっています。
それには、ある理由がありました。
菱谷良一さん
「まさか自分がこうなる(逮捕される)と思ってないしょ。俺は死刑にはならないだろうけれども、恐ろしいって」
「平和と自由をね、最後まで握り締めていきたい。平和と自由。これしかない」
菱谷さんは19歳の時に、自身が描いた1枚の絵が治安維持法に違反したとして逮捕されました。
菱谷良一さん
「寝ているところで逮捕状を突き付けてきて、ちらっと見たら逮捕状に治安維持法と書いてある」
旭川師範学校、いまの北海道教育大学旭川校の美術部の学生や教師など26人が、特高警察に逮捕された「生活図画事件」です。
菱谷良一さん
「まずは『お前は共産主義を信奉して、日本を社会主義化するために運動をしたんだろう』と言われた。とんでもないしょ?『いやいや私は…』と言ったら一発(殴られた)。彼らの手段としては脅しとなだめ。飴と鞭」
特高の恫喝と暴力に、菱谷さんはでっちあげの自白調書に押印し、1年3か月もの間、旭川刑務所などに投獄されました。
獄中で自殺まで考えるほどの絶望の中、菱谷さんを支えたのは、ある友の存在でした。
松本五郎さん。事件当時、旭川師範学校美術部の部長で、菱谷さんと共に逮捕されました。
松本五郎さん(当時93)
「孤独ですからね、友だちが一緒にいるということが最大の心の支えになっていてね。運動の時に高い小窓からのぞいて手を振ってみたり、向こうは編み笠をちょっと上げて合図をした。どんなに心強かったか分からないですね」
コロナ禍の2020年、松本さんが急きょ入院。菱谷さんは帯広市の病院へ向かいました。
病院に到着し、再会した松本さんと菱谷さんは抱き合います。
松本さんが菱谷さんに「心の底からの親友」と伝えると、菱谷さんからは「ありがとう」の言葉が。
2020年10月、松本さんが亡くなり、事件の被害者で生きているのは菱谷さんだけになりました。
「あとは俺の分まで頼む」と松本さんからの遺志を受け継ぎ、年に1回の国会請願に挑んでいます。
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