「夜中にトイレで目が覚める」は早死のサイン…"おしっこ"と"寿命"の関係

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  • 鍋奉行
  • 24/01/21 14:15:38

「夜中にトイレで目が覚める」は早死のサイン…泌尿器の専門医が指摘する"おしっこ"と"寿命"の知られざる関係

夜3回以上トイレに起きる人は死亡率が2倍になる

PRESIDENT Online
2024/01/19 15:00

堀江 重郎
順天堂大学大学院 教授

■60代以上の8割超が夜中にトイレに起きている

みなさんは、自分が1日に何回、排尿しているか意識していますか? 若いうちはともかく、中高年に差しかかってきたら、気にしたほうがいいでしょう。

一般的に、「正常な排尿は1日に5~7回」です。1日に8回以上、排尿していたら「頻尿」、また就寝後から起床前の就寝中に1回以上、トイレに起きると「夜間頻尿」と見なされます。

いずれも、クオリティー・オブ・ライフにもかかわってくる不快な症状ですが、より深刻にとらえたほうがいいのは夜間頻尿です。

日本人の夜間頻尿の調査によると、40~50歳になると半数以上の人が夜中に1回はトイレに起きるようになります。さらに60代以上になると、約8割以上もの人が、夜間にトイレに起きています。夜間頻尿は、次のように、さまざまな要因が単発で、あるいは連鎖的にかかわっている症状です。

高齢者の集団を6年間にわたり調査したところ、「夜間に3回以上、トイレに起きる人は、2回以下の人の2倍も死亡率が高い」――スウェーデンで行われたある調査で、こんな衝撃的なデータが示されました。

これは、夜間頻尿そのものが寿命を縮めているということではありません。重要なのは、寿命を縮めるような病気になると、1つの症状として夜間頻尿が起こる場合が多いということです。つまり夜間頻尿は、寿命を縮める病気にかかっているサインかもしれないのです。

■糖尿病が多尿を生んでいるケースも

夜間頻尿の原因①【おしっこが多すぎる】

そもそも尿の量が多くなると、起きている日中にたびたびトイレに行くだけでは出し切れず、夜中にトイレに行くことにつながります。多尿になる原因は単純に「水分のとりすぎ」ですが、それとは別に、糖尿病が多尿を生んでいるケースもあります。

糖尿病になると、血糖値(血液中の糖濃度)が高くなるため、血液の浸透圧が高くなります。すると、細胞の水分が血液に引っ張られ、血液の量が増えて、通常より尿量が多くなってしまうのです。

この結果、体内の水分が足りなくなり、のどの渇きを強く感じるようになります。そのため水分をたくさんとることになり(多飲)、トイレの回数が増えるという悪循環が生じるのです。夜中にのどが渇いて起きて水分をとるというのは、重症の糖尿病の可能性があります。

夜間頻尿の原因②【からだのなかに水分が溜まる】

水分のとりすぎなどにより、水分がからだのなかに溜まってしまうことも夜間頻尿の原因になります。水分を摂取すると、水分は腎臓でろ過されて血液のなかに行きます。そして、その水分は血管から心臓まで戻り、心臓から送り出された血液は、動脈から末梢血管に行って、静脈をとおって、また心臓に戻ってきます。

■水分の摂りすぎの可能性

ところが、全部の量が戻ってこないで、からだの筋肉や脂肪の外の組織に水分が溜まってしまうことがあります。よく夕方になると足がむくむという人もこれが原因です。このような人たちは、就寝時、寝ているとからだが横になるため、からだのなかに溜まっていた水分がもう一度心臓に戻ってきます。そして、そこで尿をつくるので、夜中に尿量が増えます。

これを予防するためには、ストッキングが効果的です。足に弾性のあるストッキングを履いて、余分な水分が溜まらないようにするのです。

また、最近開発された高出力の磁気治療器は、骨盤の筋肉を細かく振動させることによって、水分をからだのなかに戻して、夜間頻尿を改善します。

夜間頻尿の原因③【おしっこが濃くならない】

通常、覚醒時より睡眠時のほうが尿の回数が少ないのは、眠っている間に「バソプレシン」というホルモンが分泌されているからです。尿の90パーセントは水分ですが、バソプレシンには、腎臓での水分の再吸収量を増やすことで、睡眠時に膀胱に溜まる尿の量を、覚醒時より少なくする作用があります。いい換えれば「尿を濃くする」ということです。



>>1に続く

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    • 24/01/21 14:16:47

    ■尿が濃くならず、膀胱がいっぱいになる

    つまり、眠っている夜間は、起きている日中ほど尿がつくられなくなるため、膀胱がなかなかいっぱいにならず、トイレに起きなくてよいのです。朝の起き抜けの尿の色が濃いのも、バソプレシンによって尿の成分が濃くなっているためです。

    バソプレシンの合成や作用に支障が起こったものが、「尿崩症にょうほうしょう」と呼ばれる症状です。そうなると、日中と同じくらいのペースで膀胱がいっぱいになるため、夜間に尿意で目が覚めるという症状が起こってきます。

    このバソプレシンの分泌は、加齢に伴い夜間での分泌量が減っていきます。夜の間に1日のおしっこの3分の1以上がつくられている場合、たとえば、1日1.5リットルであれば、500ミリリットル以上、夜、寝ている間に出る人は、バソプレシンの分泌が減り、夜間多尿になっていると考えられます。こういう方には、バソプレシンに似たお薬、デスモプレシンという薬が有効です。

    また、バソプレシンは、お子さんのおねしょにも効果的です。小児のなかにはバソプレシンが十分に分泌されていない人もいます。お子さんのおねしょにお困りの方は検討してみてください。

    ■膀胱が硬くなる、腎機能の低下…

    夜間頻尿の原因④【膀胱の柔軟性が下がる】

    膀胱でつくられるガス「一酸化窒素」には、膀胱や膀胱の出口の筋肉に柔軟性を与える作用があります。高血圧や糖尿病、高脂血症、動脈硬化など、いわゆる「生活習慣病」にかかると、この一酸化窒素が十分につくられなくなります。

    一酸化窒素が足りず、膀胱の柔軟性が損なわれると、膀胱が硬くなり、尿が溜まる量も減って、通常より早くいっぱいになってしまいます。そして起きている日中のみならず、眠っている夜間にも、たびたび尿意をもよおすことになります。

    そのうえ、一酸化窒素の不足によって膀胱の出口も緩みにくくなるため、トイレに行っても「尿が詰まった感じがする」「スムーズに出切らない」、だから余計に「何度もトイレに行きたくなる」という悪循環が生じてしまうのです。

    夜間頻尿の原因⑤【腎機能の低下】

    腎臓の機能が低下して、尿を濃くすることができなくなると、尿が多くなります。腎不全、慢性腎臓病でも、夜間頻尿が起こります。

    夜間頻尿の原因⑥【睡眠時無呼吸症候群】

    睡眠中に呼吸が一時的に止まってしまう「睡眠時無呼吸症候群」が、最近注目されています。いびきをかく人や、昼間に強い眠気を感じる人に多いのですが、30代、40代で夜中にトイレに起きる人は睡眠時無呼吸症候群のチェックをおすすめします。

    睡眠時無呼吸症候群があると、脳の交感神経の高ぶりや一酸化窒素が減って膀胱が硬くなると同時に、睡眠中に心臓から「利尿ホルモン」が出るために尿量が増える傾向があります。

    つづく

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