【LGBT】うそをついて生きたくなかった 同性カップルの日常「元警察官と元消防士」の退職理由

  • なんでも
  • 長さの違う菜箸
  • 24/01/09 10:00:16

2024年1月9日 06時00分

 冬晴れの東京都世田谷区・豪徳寺。区内在住の男性2人がユーチューブで配信する「デート風景」を撮影していた。「KOTFE(コッフェ)」こと勝山こうへいさん(41)と、「KANE(カネ)」こと平田金重(かねしげ)さん(36)の同性カップル。「どの街にも当たり前に存在すると伝えたい」。互いを見つめ穏やかな笑みがこぼれる。

 3年前まで、コッフェさんは京都府警の警部補、カネさんは大阪市の消防士だった。交流サイト(SNS)で知り合い2011年に交際を始め、同居したが、「体育会系」「男社会」と言われる職場でゲイ(男性同性愛者)と言えなかった。「ばれたらゲームオーバー」。差別や偏見を恐れ、女性が好きな独身男性を装った。上司や同僚には見合いや合コンを設定された。

◆人一倍働いた。自分を偽りながら

 ばれたときに立場をよくしておこうと、コッフェさんは人一倍、仕事を引き受けた。京都アニメーション放火殺人事件の犯罪被害者支援に携わり、柔道5段を生かして指導もした。だが、偽りの自分を演じ続けるストレスからか胃腸の不調が続き、体重は10キロ減。20年に適応障害と診断されて休職、翌春に退職した。

 カネさんも、長時間一緒に働くチームで隠すことがしんどくなり、過呼吸になった。コッフェさんと一緒に辞めた。「あこがれた警察官と消防士の仕事。だけど、うそをついて生きたくなかった」

◆転機は自民党の「後天的な精神の障害」呼ばわり

 上京し、性の多様性や当事者の生きづらさなどを話す講演活動を中心に生活を始めたころに転機が訪れた。22年7月、東京・永田町の自民党本部前の抗議デモに参加した。自民の国会議員らの会合で、同性愛を「後天的な精神の障害、または依存症」とする差別的な冊子が配られたからだ。

 カネさんは、差別や偏見から「生まれ変わってもゲイにはなりたくない。そんな社会にしないでほしい」と壇上から涙ながらに訴えた。「沈黙は差別の容認」という他の登壇者のスピーチにハッとした。「それまで、デモは『なに主張してるの?』ぐらいに思っていた。見て見ぬふりしてた」

 制度の不平等にも気づき、同性婚や差別禁止の法整備を求め、2人は声を上げ始めた。自治体、企業、学校からの講演依頼は増え、23年は約80本に出演。米紙ニューヨーク・タイムズにも取り上げられた。

◆「ありのままで」生きられる社会に

 23年に性的少数者(LGBTQ)への理解増進法が施行されたが、2人の元には、親から「同性愛者と言ってはダメ」と否定された中高生からSNSで連絡が来る。講演先では「実は当事者です」とよく打ち明けられる。カミングアウトして、社会生活を営むことのハードルはまだ高い。

 「かつての僕らのように、ありのままで生きられない人がまだまだいる」と実感する。うわべだけの「多様性」ではなく、「違いを認め合える社会にしなければ」と2人。苦しかった過去を胸に発信を続ける。(奥野斐)

 カミングアウト 自らの性的指向や性自認など性のあり方を誰かに開示すること。反対に開示していない状態を、押し入れに隠れている様子に例え「クローゼット」という。2019年度厚生労働省の委託調査では、職場で1人にでも自身が性的少数者だと伝えている割合は同性愛・両性愛者で7.3%、トランスジェンダーは15.8%。8割超はカミングアウトしていない。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/301406

  • 0 いいね

利用ルール・禁止事項をご確認ください
誹謗中傷、個人情報、プライバシーを侵害する投稿は禁止しています。
また誹謗中傷においては、法改正により投稿者の情報開示について簡易な裁判手続きが導入されております。

古トピの為これ以上コメントできません

ママ達の声投稿されたコメントを掲載しています

画像表示ON・OFF

    • 2
    • さくら鍋
    • 24/01/09 10:17:17

    ジャニーズの件で同性愛者が無理

    • 2
    • 24/01/09 10:14:35

    サバラ

    • 0
※コメント欄のパトロールでYahoo!ニュースのAIを使用しています

新しいトークテーマを作ろう

子育てや家事、旦那に関する悩み相談、
TV、芸能人に関する雑談など何でもOK!

トピックランキング

もっと見る

コミュニティカテゴリ