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- 23/12/15 21:27:42
ディズニーCEO、近年の作品が“偏り過ぎていた”と認める 「一番は楽しませること」「目的を見失っていた」
直近公開作の成績が振るわず。
2023年12月11日
米ディズニーのボブ・アイガーCEOが11月29日に米ニューヨークで開催されたイベント「DealBook Summit 2023」に登壇し、近年同社の作品やキャラクターがメッセージ性に偏り過ぎていたと認める発言をしました。このところ同社の作品は、時に“ポリコレ”とやゆされる要素がエンターテインメント性を上回っていることを指摘されており、あらためてエンターテインメントの基本へ戻るようかじ取りをしていると説明しています。
■「クリエイターは自分たちの目的を見失っていた」優先順位を再確認
(略)
保守的なことで知られるフロリダ州との対決は、2022年に知事が学校の授業で性的指向や性自認などのテーマを取り上げることを規制する州法を成立させたことが発端。これを強く批判したディズニーとは、訴訟にまで発展する事態となりました。
今回のイベントでは“政治的質問”と前置かれ、アイガーCEOが復帰したタイミングでのディズニーは、知事との対決や性的マイノリティーへの配慮が反映され、作品やキャラクターが非常に“意識高い系”と呼ばれるようなものになっていたことへ言及。社会問題に対する企業としての姿勢を問われたアイガーCEOは、ディズニー作品でもスポーツでもマーベルでも、全てのプラットフォームで配信するいかなるものであれ「最優先されるのは人々を楽しませることだ」ときっぱり。「エンターテインメントを求めるマーケットプレースは常にあり、だからこの仕事はすばらしいものなんだ」と説明しました。
そしてこのディズニーの“ポリコレ”への傾倒は、チェイペック前CEO時代の2022年にひとつのピークを迎えたとのこと。この間「クリエイターは自分たちの目的を見失っていた」と振り返り、エンターテインメントを提供する企業としての優先順位を再確認したとしています。(略)
再びCEOに就任したときのことを振り返ったアイガーCEOは「まず根幹に立ち返ろうとした。一番は楽しませることであり、メッセージ性ではない。それが私の目的であることを従業員には伝えているし、その逆を容認したくはない」とディズニーの方向性を明確に示しました。
■マイノリティーの起用が話題になってきた近年のディズニー
ディズニーの多様性反映策には一部の国々で強い反発もあり、同性同士のキスシーンがあった2022年の映画「バズ・ライトイヤー」は14カ国で上映禁止に。また「ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界」(2022年)ではオープンリーゲイのキャラクターが、さらに2023年の「マイ・エレメント」ではノンバイナリーのキャラクターが登場とダイバーシティ化が進む一方で、2022年にはピクサーの従業員が親会社であるディズニーから同性愛のシーンへの検閲を内部告発。企業としての方向性には複雑な印象が付きまとっています。
ファンの中にもダイバーシティ化を望む動きはあり、「アナと雪の女王」(2013年)に登場するエルサについて、SNSでは「#GiveElsaAGirlfriend(エルサにガールフレンドを)」運動が盛り上がるとこもたびたび。しかしエルサは作中でセクシュアリティーを明確にしていないため、公式を置き去りにした動きとして否定的な声もあがりしばしば論争になってきました。
さらにアニメでは白い肌に赤毛だった主人公アリエルを黒人俳優/歌手のハリー・ベイリーが演じた実写版「リトル・マーメイド」(2023)では、キャスティングを巡って論争に。ディズニーサイドが一貫してハリーの歌声が際立っていたことが抜てきの理由と主張する一方で、アニメ版を支持する層からは「#NotMyAriel(私のアリエルじゃない)」運動が起こりさまざまな角度から話題になりました。
アイガーCEOはイベント内で、2026年以降はCEOをしりぞく意向を強調。決算報告でも2024年は作品の数を減らし、ストーリーテリングに力を注ぐことでよりエンターテインメント性の高い作品を作り上げていくと話しています。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/spv/2312/10/news081.html
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