圧力で出版中止となったトランスジェンダー本「それでも出版すべきだった」 心理学者の見方

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  • 23/12/12 09:45:43

※「米国では、インフルエンサーなどの影響を受け、実際は違うのに"自分はトランスジェンダーだ"と思い込み、性転換して後悔する子どもが増えている」という問題を扱った書籍が、LGBT団体などの抗議によって日本で出版差し止めになったニュースについての記事。

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トランスジェンダー本「それでも出版すべきだった」 心理学者の見方

2023/12/12 06:30

 KADOKAWAは発売予定だった書籍「あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇」(アビゲイル・シュライアー著)の刊行を中止した。米国で出版された原作の翻訳書で、トランスジェンダーへの差別を助長する、との批判を受けた結果だ。この本の何が問題なのか。原作を批評した心理学者に話を聞いた。

◆「不必要にセンセーショナル」

 原題は「Irreversible Damage: The Transgender Craze Seducing Our Daughters」で、直訳すると「回復できない被害 トランスジェンダーブームが私たちの娘を誘惑する」という表題になる。

 2020年に米国で発売され、10カ国語に翻訳されたとされる。日本版は3日に刊行が告知されたが、出版関係者の有志が「内容が刊行国の米国で既に問題視されている」「当事者の安全・人権を脅かしかねない」などの意見を表明。KADOKAWAは5日、24年1月24日に予定していた発売を取りやめると発表した。

 内容は、インフルエンサーなどの影響を受け、出生時の性別と自認する性が異なるトランスジェンダーではないのに、自身をトランスジェンダーだと思い込み、ホルモン療法などの医療ケアを受ける子どもが増えているというものだ。

 心理学やメンタルヘルス専門の米雑誌「サイコロジー・トゥデー」で、この本を批評した心理学者クリストファー・ファーガソン氏(52)は、「一番の問題は、複雑な問題を不必要にセンセーショナルに扱っていることだ」と指摘する。

 大前提として、「トランスジェンダーを自認する人の多くは、実際にトランスジェンダーで、医療的ケアを必要とする人たちだ」と解説する。そして、シュライアー氏が著書で引用した「調査」には、批判を受けているもの、内容を否定されているものがある、とする。さらに「性自認は脳の視床下部で決まる」という広く証明された科学的事実を否定していることに仰天したという。

 インターネットやネット交流サービス(SNS)の影響で、「少女らが伝染病のようにトランスジェンダー熱に感染する」と主張している点も、「そういった研究事例はいま現在、ありません」と話す。

◆出版が保守派への燃料に

 米国では、南部や中西部の共和党地盤の保守的な州で、トランスジェンダーの医療ケアを禁じる法律が次々と成立。トランスジェンダーの権利を強化しようとする民主党地盤の東部や西部との分断が広がっている。

 版元が保守系出版社として知られるRegnery社だったこともあり、ファーガソン氏は「この本は保守派への追加燃料となった」と分析する。

 とはいえ、表現の自由を尊重するという立場からKADOKAWAは出版すべきだったと考えているといい、こう付け加えた。

 「トランスジェンダーの権利を擁護する人たちの懸念を理解し、深く同情する。だが意見が異なったとしても、本を読むことを禁止する権利はない。正しい科学データと情報で対抗すべきだ」

 KADOKAWAは刊行の中止について、ホームページに「ジェンダーに関する欧米での事象等を通じて国内読者で議論を深めていくきっかけになればと刊行を予定しておりましたが、タイトルやキャッチコピーの内容により結果的に当事者の方を傷つけることとなり、誠に申し訳ございません」などとするコメントを掲載した。【國枝すみれ】

毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20231211/k00/00m/040/284000c

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