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- 23/08/22 19:00:28
夏の甲子園大会で決勝に進出した仙台育英(宮城)の吹奏楽部が、スタンドで専大松戸(千葉)のチャンス時の応援曲を演奏している。専大松戸の吹奏楽部員らは大雨で甲子園の3回戦にたどり着けず、チームも敗退したため、同校の生徒らの悔しい思いを受け継いだ。(吉武幸一郎、中島和哉)
「専松行きます!」。21日の準決勝、仙台育英のアルプス席では、かけ声に合わせ、専大松戸の応援で使われる曲「エル・ティグレ」が3度鳴り響いた。準々決勝から急きょ演奏を始めた曲だ。
専大松戸の吹奏楽部員らは16日、第4試合の土浦日大(茨城)戦に駆けつける予定だったが、東海道新幹線が大幅に遅延。予定から4、5時間遅れで東京駅から新幹線に乗り、新大阪駅を目指したが、午後7時24分、京都駅付近で試合終了となった。演奏を届けられないままチームも敗退した。
この出来事を知った仙台育英3年の 馬路まじ 俊祐さん(18)は「同じ応援する立場として、何か力になれることはないか」と18日朝、部員に専大松戸の応援曲を自分たちの試合で演奏することを提案。賛同が相次いだという。
専大松戸の吹奏楽部とは関わりがなく楽譜がなかったため、外部コーチに楽譜作りを依頼。コーチは動画で曲を聴き、半日で完成させた。ただ、宿舎では音を出せず、生徒は19日の準々決勝に向け、会議室で歌いながらメロディーや指の動きを確認。甲子園ではぶっつけ本番だったが、53人がアップテンポで勇壮な音色を奏でた。
一方、専大松戸の部員らは、このサプライズに驚いた。今大会まで部長を務めた3年の 賀曽利かそり 楓さん(18)は「新幹線でも宿舎でも自宅に帰ってからも泣いていたほど、あの日、演奏できなかったことは悲しかった。だからこそうれしかったし、心が晴れた」と喜ぶ。
仙台育英は23日の決勝でも奏でる予定で、馬路さんは「専大松戸の思いを背負って応援したい」と意気込む。賀曽利さんは「私たちにとって大切な曲。全員で画面越しに仙台育英を応援する」とエールを送った。
https://www.yomiuri.co.jp/sports/koshien/summer/20230822-OYT1T50118/
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