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- 23/07/11 14:16:59
コロナ禍経験の5歳児に約4か月の発達遅れを確認 3歳児は明確な発達遅れみられず 京大
7/11(火) 7:00読売テレビニュース
京都大学大学院の研究チームが、コロナ禍が未就学児の発達にどのような影響を与えたのかを調査したところ、5歳の時点でコロナ禍を経験した子どもは、経験していない子どもに比べ、平均4か月程度の発達の遅れが確認されたと発表しました。
世界で初めてコロナ禍と乳幼児の発達の関連を定量的に明らかにしたということです。
研究チームは、首都圏のある一つの自治体で、認可保育所に通う乳幼児、計887人を対象に、2017年から2021年にかけて追跡調査を行いました。
2017年から2019年のコロナ禍以前に3歳から5歳になった子どものグループと、2019年から2021年のコロナ禍を含む時期に3歳から5歳になったグループを、「KIDS乳幼児発達スケール」という検査を用いて、運動や言語理解、社会性などの能力を評価し比較したところ、5歳になった時点でコロナ禍を経験したグループは約4.4か月の発達の遅れが確認されたということです。
一方、同様の調査で3歳になった時点での能力を比較したところ、コロナ禍を経験しているかどうかで明確な発達の遅れはみられず、保育環境によってはコロナ禍で3歳になった子どもの方が発達が良い傾向がみられたということです。
3歳と5歳で対照的な結果となりましたが、3歳は大人との1対1のコミュニケーションが発達において重要な時期で、コロナ禍で保護者の在宅勤務が増え、保護者と密に接する時間が増えたことがポジティブな影響を与えた可能性があります。
一方、5歳は、他者との交流の中で社会性を身に付ける時期で、コロナ禍で、保護者以外の大人や他の子どもと触れ合い機会が制限されたことが発達に負の影響を与えた可能性があるとみられています。
また、今回の調査では、コロナ禍で、3歳児・5歳児ともに発達の個人差・施設差が進んでいたこともわかったということです。
研究チームは、「あくまで一自治体のデータから得られたものであるため、他の自治体や国にあてはまるかどうかはわらないが、世界で初めてコロナ禍と乳幼児の発達の関連を定量的に明らかにした点で大きな学術的価値がある」とし、京都大学大学院医学研究科の佐藤豪竜助教は、「なるべく速やかにコロナ前の保育環境に戻していくことが発達の上で重要」と指摘しています。
研究チームは、「今回の研究でみられた発達の遅れは、あくまで一時的なもの」とし、今後、コロナ禍の影響が長期的に続くのかどうか追跡調査する予定です。
■KIDS乳幼児発達スケール
全国38都道府県の乳幼児約6000人によって標準化された検査。3歳未満は142項目、3歳以上は133項目の行動を乳幼児がそれぞれできるかどうか評価し、できる項目の数によって乳幼児の発達年齢を算出する。総合的な発達のほか、運動、手指の操作、言語理解、言語表出、抽象的な概念理解、対子ども社会性、対成人社会性、しつけの8つの発達領域についても個別に評価を行うことができる。
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