5度服役、万引常習の50代女性　窃盗症の診断も「大丈夫」一度も通院せず

これまで、万引で5回服役していた。懲役2年8月を言い渡された前回の裁判で、窃盗症の治療のため、病院に通院することを誓った。だが、昨年3月に出所後、「もう大丈夫だと思った」と一度も行かず、1年後、再び犯行に及んでしまった。

　かつては飲食店従業員として働いていた時期もある。市内の閑静な住宅街にある2階建ての一軒家に住み、夫と20歳の娘がいる。生活には困っていなかったという。

　公判では、万引をやめない理由について質問が集中した。「老後の生活を思うと、お金がもったいないと感じた。お金に縛られ、振り回されていた」

　裁判官はさらに問い掛けた。「お金をためたい人はたくさんいるが、大半の人は窃盗をしない。あなたはなぜ万引をやめられないのか」。被告は15秒間押し黙り、「私はたぶん、いろいろ心配して考え過ぎる」とつぶやいた。


2023年6月6日 07時31分東京新聞Web
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