都内のコロナ感染者、４人に１人が「後遺症２か月以上」

東京都は３０日、新型コロナウイルスの感染者の４人に１人が後遺症に悩まされたとのアンケート調査の結果を明らかにした。

　都によると、アンケートは２月１５～２１日、都内在住の２０～７０歳代の男女計１万４２９人にインターネットを通じて実施した。

　陽性判定の経験がある人は１９・６％で、このうち２５・８％が、２か月以上にわたって後遺症の症状が出たと答えた。症状別では、「疲労感・倦怠（けんたい）感」が５１・６％と最多で、「せき」が３５・１％、「発熱・微熱」と「たん」がそれぞれ１９・９％と続いた。後遺症で生活に支障が出た人は８５％に達し、うち５１・８％が仕事や学校を休んだと答えた。

　アンケートで、感染症法上の分類引き下げに伴って不安に感じることについても尋ねたところ、「医療費の自己負担」を挙げた人が６２％に達した。受診・入院先を見つけられるかどうか不安だとした人も５割余りいた。

新規感染者数、増加に転じる…前週の１・４倍
　東京都は３０日、新型コロナウイルスのモニタリング（監視）会議を開き、減少傾向が続いていた新規感染者数の週平均が、前週の１・４倍となり、約２か月半ぶりに増加に転じたことを明らかにした。

　都によると、新規感染者の週平均は前週が５７２人だったのに対し、今週は８１２人になった。年代別でみると、２０歳代が１９・８％と最多で、５０歳代１５・９％、４０歳代１５・７％と続いた。

　国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は、免疫を逃れる特徴があるオミクロン株の新系統「ＸＢＢ・１・５」への置き換わりが進んでいることや、飲食など接触機会の増加が感染者増の要因と分析。「基本的な感染防止対策を継続する必要がある」と訴えた。